アンチエイジングニュース

油抜きのダイエットをしていたら何だかお肌の調子まで悪くなってしまった……。こんな経験はありませんか? これは当然のことなのです。

人間の生命活動を支えているのは油(脂質)をはじめ、たんぱく質と炭水化物(糖質)の三大栄養素です。ダイエットで食べる量を減らす場合も、これらをバランスよく摂らなければ、体重を減らすことには成功しても何らかの体の不調が起こってくるものです。

また、油抜きの食事は味気ないものであり、我慢を続けるとリバウンドの原因になります。逆に適量の油はダイエットに有効と言えそうです。油は消化吸収がゆっくりで、腹持ちがよいことが知られています。また、調理用油を使った動物実験では油が脳の快感中枢を刺激することが確認されています。どうやら油を摂ることで心も体も満ち足りた気分になれるようです。

 アメリカのブリガム婦人科病院臨床栄養部長のキャシー・マクナマス氏が行なった興味深い調査があります。この実験では1000人を対象に低脂肪食(総カロリーに占める脂肪率が35パーセント)を食べてもらう群と高脂肪食群(総カロリーに占める脂肪率が35パーセント)に分け、ダイエットの効果を比較するというものです。総カロリーは男性1500キロカロリー、女性1200キロカロリーと抑えてあります。

18ヵ月間の減量経過を追ったところ、最後までダイエットを継続できた人は高脂肪食のグループで54パーセント、低脂肪食のグループで19.6パーセントという差が出ました。また、実際に減った体重の値は最初の18週間で約5.6~6.3キログラムとダイエット効果は双方とも十分に出せたのですが、10ヵ月(42週)以降になると高脂肪食グループでは5キログラム前後の減量を維持できているのに対して、低脂肪食のグループでは体重が元に戻り始めている、つまりリバウンドをしていることが分かったのです。

参考までに、前述の実験で使われた高脂肪食はオリーブオイルを使った地中海式料理が中心でした。このほか、ダイエットに向くと言われる油には脂肪の燃焼を高める中鎖脂肪酸があります。これが含まれた植物油が登場しているので、ぜひうまく取り入れてください。

参考資料:『植物油でからだリセット』(リヨン社)

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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