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柴門ふみさんが語る愛と希望と恋のホルモンパッチ(8)目指すべき50代60代

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目指すべき50代60代

 漫画家・柴門ふみさんはこれから迎える50代や60代をどのように過ごしていこうと思っているのだろう。インタビュー最終回からは、これから展開される柴門ワールドの一端を垣間見ることができる。

――固定観念を持たないことが大切だというお話ですが、では、どうすれば固定観念を崩すことができるんでしょう。

 若い人とつき合うことです。自分より若い人の話を聞くことです。

――若い人から見ると、若い人が本気で話したいと思う40代50代でないといけませんね。

 例えば瀬戸内寂聴さんがそうですよ。非常に深い人生経験をお持ちで、世の中の動きに敏感で、最近はオペラの原作と台本をお書きになっています。気持ちがいつもお若いんですね。
 年上だからというだけで押しつけがましかったり権威的だったりすると、若い人は交流しようと思わないでしょうから、若い人と交流しようと思えば、40代や50代に若い人を引きつける魅力が必要です。
 話の中身は趣味や仕事など何でもいいんです。仕事が終わって飲みに行った時でも、郵政民営化についてみんなで話そうというあらたまった場でもいいんです。いろんなところで意見を活発に交わしながら学んでいけばいいんじゃないですか。
 若い人から「それは違うんじゃないですか」と言われたら、耳を傾けてみるんです。すると、「ああ確かにそういう考えもあったか」ということになりうる。そういうチャンスがいっぱいあるのが、若い人とつき合う場です。

――高1の長男に「キミの女友達を連れてきなさい。そしたらお父さんは女子高生とオトモダチになれるから」と言うんですが、このような若い人との出会い方は駄目ですか。

 それは駄目ですよ(笑)。だいたい女子高生に興味を示す段階で失格です(笑)。女子高生というフィルターをかけて女子高生を見ると駄目なんです。スッチーだ、キャンペーンガールだ、女子アナだ、というのと同じですよ。そういうレッテルで人を見ることを卒業しないと、魅力的な40代にはなれません。

――柴門さんはそういうのは卒業なさったんですか。原作者として、椎名桔平さんの撮影現場を訪ねたという話を『恋愛は終わらない』(新潮文庫)にお書きになっていました。

 私はすごいミーハーでしたから。でも、45歳で終わりました。ミーハー時代が長かったです(笑)。

――これからどんな50代60代を過ごしたいと思っていますか。

 やっと息子が成人式を終えたので、今まで20年子育てに費やした時間を取り戻します。自分の自由な時間を楽しみます。
 けっこう仕事をセーブしていたんですが、仕事を増やすというより仕事に対する取り組み方を充実させようと思っています。
 というのは、肩凝りや視力の衰えがあるんで、マンガは60歳までしか描けないと思っているんです。するとあと10年くらいしかない。マンガをきちんと悔いなく描いておくというのが50代の一番大切なことです。

――登場人物に変化が出てきますか。

 それは分かりません。ただ、いろんな年代が描けるようになりました。自分が経験した年代はだいたい分かるんですよ。でも40代の私は60代の人が何を考えているか分からない。
 20代の時に40代や50代の人が考えていることが分かりませんでしたが、今やっと40代以降も描けるようになってきたと思います。登場人物の幅を広げることができますね。
 それに、ミーハーから脱してやっと目が覚めたので(笑)、本当に人として価値のある人間が分かってきました。そういうことが反映される作品をこれから描けるといいなと思っています。
(おわり)

(AANウェブ編集部・西野浩史、竹村貴美子)
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