アンチエイジングニュース
2005.10.25
私の健康法:100歳の女性から学んだこと――天野宏AAN理事
かつて100歳老人と話す機会があった。耳が少し遠いものの受け答えもしっかりした小柄な婦人で、日頃の生活ぶりから食と運動、心の持ち方が長生きのコツのように思えた。薬に頼ったこともなく夏の暑さで疲れ気味のときは家族の者に頼んでブタの角煮を作ってもらい、便秘がちになると野菜の豊富なカレーを食べるという。まさに中国の古典にあるように医食同源を地で行く感じである。運動も特別なことをやってきたわけではなく、とにかくよく歩く。心の持ち方も終わってしまった事はしかたがないと常に前向きで失敗を気にしない。
この老人からき生き方とともに長生きのコツを学んだような気がして、バランスの良い食事、常に歩くことを心がけるようになった。これが私の健康法、長寿法といえるかもしれない。今までは友人、知人、仕事の関係者に会うと脂肪分の多い食を摂ることも多く、運動もそこそこだったので肥満指数も高かった。この食生活に変えたことにより体重も減少し、中性脂肪、血圧も低くなって体調はすこぶるいい。旬の魚、野菜を取り入れた食事を中心にして日頃の食を質素にし、甘いものや天ぷら、肉料理などは月1~2回のペースにしている。運動も日頃からよく歩くことを心がけ、外出したときは目的の1つ前の駅で降りて歩くのである。会社に行ったときやデパートで買い物にでかけてもなるべく階段をつかう。100歳老人に少しでもあやかろうと昔の人の生活、習慣を真似した健康法が少しずつ“効いて”きているようである。
天野宏=AAN理事、日経メディカル開発シニア・エディター
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