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健康に効く話(22):腰痛を予防する体操

腰痛というと鎮痛薬やホットパックによる治療をイメージします。もちろんこうした方法は痛みがひどい急性期にはとても有効な対処法です。しかし、腰痛の根本改善のためにはもっと大切なことがあります。それは「運動」です。

 腰痛の多くは、腰に負担のかかる姿勢や動作が原因となっています。ですから、痛みがよくなった後も同じ生活を続けていれば、腰痛を繰り返すことになります。

 これを予防するのが運動であり、いわゆる「腰痛体操」と言われているものです。さまざまな方法がありますが、腹筋と背筋を強くする体操がメインとなっています。「体操ごときで腰痛がよくなるの?」と思う方も多いかもしれません。しかし、慢性腰痛に対するさまざまな治療法の中で、実は最も効果があると評価されているのがこの「運動療法」なのです。これは欧米の研究者が複数の研究結果を総合分析した結果、明らかになったものです。

 日本でもこれを裏付ける研究結果が最近登場しています。筑波大臨床医学系整形外科(落合直之教授)が行なったもので、茨城県と埼玉県の3市町村で生活機能を維持・増進することを目的とした運動プログラムの参加者を募集、このプログラムに参加してくれた60歳以上、156人を対象にした調査です。

 調査では腰痛と膝痛、全身の筋肉量について調べており、その結果、過去1ヵ月の間に腰痛があった人はそうでない人に比べて背部の筋肉が少ない、ということが分かりました。膝関節痛のある人についてもそうでない人に比べ、大腿(太もも)の前面の筋肉量が少ないという結果が出たのです。

 つまり、運動療法は腰痛はもちろん膝痛に対しても効果があり、同時にこうした病気の予防につながる可能性が明らかになったのです。重い荷物を持つなど生活動作で腰や膝を酷使する仕事に従事している人はもちろん、パソコンなどデスクワークの仕事やあまり体を動かす習慣のない人は、特に「運動」を心がけたほうがいいと言えるでしょう。

 なお、女性の場合、男性に比べて筋肉がもともと少ないことから、高齢になって寝たきりなどになりやすく、それだけに運動が重要であるという専門家もいることをつけ加えておきます。

出典:「運動器の10年・骨と関節の日」記念事業(社団法人日本整形外科学会)、記者説明会「スポーツの習慣が運動機能を高め運動器の老化を防ぐ!」報道用資料

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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