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薬剤師に聞く薬の知識(5):薬とタバコの関係

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 タバコは飲食物ではないが、身体にさまざまな悪い影響を与えることが報告されている。それでは、タバコと薬との関係はどうなのだろうか。薬剤師の小川重行さんに、タバコと薬の飲み合わせについて聞いた。

 小川さんによると、タバコの成分が薬の吸収や排泄などに影響を及ぼすので注意が必要とのことだ。タバコと薬は相乗効果で効きすぎてしまう場合や、逆に効果の低下を招くこともあるそうだ。

タバコで薬の効果が減少してしまう場合
 タバコを吸うことで効果が減少してしまう薬は、禁煙薬、喘息薬、(テオフィリン)、眠気防止薬、解熱鎮痛薬(アンチピリン)、降圧薬(プロプラノール)、不整脈を抑える薬(リドカイン)、抗うつ薬(イミプラミン・クロールプロマジン)があります。

 これらの薬は、タバコを吸うことによって体から早く排泄され、効き目が悪くなるということがあります。アセトアミノフェンを含有した風邪薬も同様の働きによって効き目が悪くなるということがあります。

タバコが薬の効果を増強してしまう場合
 効きすぎてしまう薬としては、血液が固まるのを防ぐ薬(ワルファリンカリウム)、精神安定薬(ロラゼパン)などがあります。血液が固まるのを防ぐ薬が効きすぎてしまうと、「消化管出血」や「脳出血」など、重篤な症状を引き起こすことがあります。

 また、1日15本以上タバコを吸う人が経口避妊薬(ピル)を飲むと、「心筋梗塞」や「脳梗塞」が起こる確率が高まるといわれています。

 糖尿病でインスリンを使っている人は、喫煙することによって「インシュリン注射の吸収が悪く」なります。

 どの薬も喫煙後2時間以上経過すれば、効き目に影響はないとのことだ。身体のためには喫煙をしないのが一番だが、我慢できない方は喫煙と薬の服用は2時間空けるようにしよう。

 上記の薬を服用している方は、喫煙は深刻な症状の引き金になりかねないので、もし喫煙しているのであれば、この機会に禁煙をおすすめしたい。(AANウェブ編集部・松本理恵)

小川さん お答えくださった方:グリーンクロス・コアの介護支援専門員・薬剤師、小川重行さん。調剤薬局を併設したドラッグストア「Welcia」の後進薬剤師の指導にあたるほか、病院や薬局に置いてある『月刊ことぶき』(寿出版)で「ことぶき流健康生活」を連載中。

取材協力:ビックヤマト

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