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女性器の美容外科

りりこはいわゆる整形美女であり、アソコ以外は全部作りものということになっている。
実は最近アソコ、女性の性器に手を加えることが欧米の美容外科では盛んである。
具体的には以下の三箇所である。

1.大陰唇:ヒアルロン酸などを注入して盛り上げ、クッション的な働きを期待する。
2.小陰唇:ひだが外まで垂れ下がっている場合に、余分なひだを切除する。これは下着などに擦れ、湿疹を生ずることがあるので、見た目よりも機能障害といえるだろう。ただそれを口実に見た目を整えたいという面も否定できない。
3.膣の若返り:一つは加齢によりエストロゲンが不足し粘膜が萎縮し、性交痛の原因となる。エストロゲンのクリームが有効であるが、最近はモナリザタッチと呼ばれるレーザー治療が人気を呼んでいる。

性器も見た目ということかもしれないが、一体いつ誰に見られることを意識しているのか、首を傾げてしまう。 また、出産を繰り返すと骨盤底の筋肉が緩む。それに対し、膣から会陰部の筋肉を締め上げ、性的機能回復を図る手術もある。これは昔から、マンチェスターリペアと言って、産婦人科で行われてきた。骨盤の底辺の筋肉を少し強くすることで、失禁などの機能障害にも有効とされてきた。

 

醜形恐怖症

りりこは美容整形を繰り返し、泥沼にはまっていく。これをポリサージャリーと呼ぶ。

K子という30歳ぐらいの女性がいた。昔隆鼻術を受けたが、中のシリコンが突っ張って皮膚が破れそうになってきたので、それを抜いてもっと形のいい鼻にしたいと希望してきた。その通りに修正手術をして、ほぼ希望通りの鼻になった。しかし、彼女は満足しない。自分の言った通りになったけれども、納得できないと言う。ここを変え、あそこをいじりと再々手術を求める。患者自身も自分の要求は不条理だと言う事は分かっているのだが、気になってどうしようもないと言う。このような状態を今の精神病学では、「醜形恐怖症= dysmorphophobia」とよび、パラノイアの一つと考えられている。パラノイアの特徴の一つは、あることについてだけ病的にこだわることだ。しかも自分でおかしいと思うけれどもどうにもならない。他の面では全く正常である。

パラノイアの問題は、手術をして初めてパラノイアと分かることが多いことだ。彼女の場合も鼻をいじって初めてその異常心理が発現して、ああパラノイア(醜形恐怖症)だったかと分かった。事前になかなかスクリーニングすることができないと精神科医でも認める。
僕は現役の時、そのように嘆かわしく思っていた。

だがヘルタースケルターを観て、彼女もやはり、りりこと同じように美のヒエラルキーの犠牲者ではなかっただろうかと感じるようになった。つまり彼女も結局のところ、形を直すよりも何よりも、「綺麗」と言って欲しかったのではないか。これが、僕が美容外科医は患者が背後に背負っているものまで思いを致すべき、と考えた所以である。

 

>>>『WHY?Anti-Ageing』バックナンバーはこちら

Dr.SHIOYA2 塩谷 信幸(しおや・のぶゆき)
アンチエイジングネットワーク理事長、北里大学名誉教授、
AACクリニック銀座名誉院長、創傷治癒センター理事長

現在、北里研究所病院美容医学センター、医療法人社団ウェルエイジングAACクリニック銀座において診療・研究に従事しているほか、日本形成外科学会名誉会員、日本美容外科学会名誉会員として形成外科、美容外科の発展に尽力するかたわら特定非営利活動法人 アンチエイジングネットワーク理事長、日本抗加齢医学会顧問としてアンチエイジングの啓蒙活動を行っている。

【著書】
一年で一歳若返る/アンチエイジングのすすめ(幻冬舎)
美容外科の真実/メスで心は癒せるか?(講談社)
40代からの/頭と体を若返らせる/33の知恵(三笠書房)
「お若いですね」と言わせよう。(ゴルフダイジェスト)
など
ブログ『アンチエイジングブログ!』更新中

 

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