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「容貌のメッセージ性」を考えるようになったのは、3年前に放映された大河ドラマ「龍馬伝」がきっかけであった。
俳優の福山雅治が坂本龍馬役をやるとなった時、“お前のような可愛らしいお坊ちゃんに龍馬ができるか?”と言われ、“自分なりの龍馬を演じる”と答えたと言うエピソードである。

それで気づいたのが、役柄に相応しい顔というのがあるのだということである。逆に言えば、顔が1つのメッセージを出しているということ。坂本龍馬のふてぶてしさを、お坊ちゃんでは出し切れないのでは、と言う疑問を視聴者が持ったと言うことだ。これを考えた時に、本人の持って生まれた造作が、本人の意思に関係なく1つのメッセージを出しているのだということに、改めて気が付いたのである。

この、容貌の発するメッセージと本人の心のメッセージとの乖離を見事に描いたのが、あの名作「シラノ・ド・ベルジュラック」と言うことになる。
その詳細な筋書きは、岩波文庫の辰野隆先生の名訳をお読みいただくこととし、要は、無双の剣豪であり詩人でもあるシラノという主人公の、不幸なほどみっともない巨大な鼻にまつわるストーリーである。

シラノにはロクサーヌと言う絶世の美女の従姉妹がいる。しかも教養豊かな女性だ。シラノは首ったけだが、己が並外れた鼻にかけてもその気持ちは隠し、ただ頼もしいお兄さんを演じている。
そのところへ、こともあろうに同僚のクリスチャンが、シラノにロクサーヌへの橋渡しを頼む。クリスチャンは絶世の美男だが、言葉を操ることが全く出来ない。シラノは男気を出しクリスチャンの為に恋文の代筆を引き受け、首尾よくクリスチャンは、ある宵、逢い引きにこぎ着ける。これが有名なバルコニーのシーンだ。
だが、肝心のときにクリスチャンは口説く言葉を発することが出来ず、傍らのシラノが自分の熱い想いを訴え始める。そしてクリスチャンとロクサーヌは口づけを…
このすり替わりがばれないのは芝居の決め事と思っていたが、最近のオレオレ詐欺などの事例を見ると、あながち作り事とも言い切れないかもしれない。

考えるとこの「バルコニーのシーン」というのは非常に“意味深”である。
ロクサーヌという見る(聞く)者がいて、それに対して2人のメッセージを発する者がいる。顔(容貌)のメッセージをクリスチャン、言葉のメッセージをシラノが担当し、2人で1役をしていることになる。
つまり自分の発したいメッセージと容貌とが乖離しているということ。そのメッセージというのは「美」。

では「美」とは?

「見るものを心地良くさせるもの」ということにしておく。
この発したいメッセージと自分の容貌の乖離。キレイにしてほしいと美容外科へ来る方々はこの乖離に悩んでいると気付いたのである。
自分の発したいメッセージを顔が裏切っている。そのギャップを客観的に、医学の技術で安全に埋めてあげることが美容外科の使命であり、ギャップを理解し、客観的評価をすることが適正な診断につながる。
そういった意味でこの問題を今後の課題とした訳である。

 

>>>『WHY?Anti-Ageing』バックナンバーはこちら

Dr.SHIOYA2 塩谷 信幸(しおや・のぶゆき)
アンチエイジングネットワーク理事長、北里大学名誉教授、
AACクリニック銀座名誉院長、創傷治癒センター理事長

現在、北里研究所病院美容医学センター、医療法人社団ウェルエイジングAACクリニック銀座において診療・研究に従事しているほか、日本形成外科学会名誉会員、日本美容外科学会名誉会員として形成外科、美容外科の発展に尽力するかたわら特定非営利活動法人 アンチエイジングネットワーク理事長、日本抗加齢医学会顧問としてアンチエイジングの啓蒙活動を行っている。

【著書】
一年で一歳若返る/アンチエイジングのすすめ(幻冬舎)
美容外科の真実/メスで心は癒せるか?(講談社)
40代からの/頭と体を若返らせる/33の知恵(三笠書房)
「お若いですね」と言わせよう。(ゴルフダイジェスト)
など
ブログ『アンチエイジングブログ!』更新中

 

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