アンチエイジングニュース

 

 

生物として本来持つ感覚“五感”も、年齢と共に衰えていきます。老化予防の方法として、見た目のケアやインナーケアなど様々な方法がありますが、本企画では “五感”に焦点を当てたアンチエイジングを実践するコツをお教えします!

ガイドしてくれるのは、アンチエイジングや美について議論を深めながら追求していく双方向型セミナー「塩谷塾」の卒業生たち。それぞれの専門分野における、“五感”に特化したアンチエイジングの秘訣とは?

 

皆様いかがお過ごしでしょうか?
ソフィアフィトセラピーカレッジ校長でフィトセラピスト(植物療法士)の池田明子です。

 

「病は気から」は本当?

「病は気から」は、気持ちの持ちようが健康を左右するという意味ですが、近年、それが科学で解明されつつあります。
以前は神経系(気に関係する)と免疫系(疫に関係する)はそれぞれが独立していると考えられてきましたが、実は免疫細胞には神経からの情報をキャッチする部位が存在するなど、それぞれが密接に関わっていることが分かってきました。
また病気になったとしても、悲観的な気持ちで過ごすより、楽観的な気持ちで過ごす方が平均生存率は高いというデータも確認されています。

 

病は気から

 

ならば日々明るい気持ちで過ごし、「気から病に」にならないよう、つまり免疫力を下げないようにしたいものです。
しかし、私たちの日常はというと、多忙な仕事や複雑な人間関係などで、どうしても免疫力を下げる出来事が多いため、なかなかそうも行きません。

 

そこで、日々五感からのアプローチでストレスを解消し、気持ちの持ちようを整えて病を遠ざけてまいりましょう。

 

香り(嗅覚)からのアプローチ

さて、五感からのアプローチといいますと、美味しい食事(味覚)、優しいふれ合いやマッサージ(触覚)、素晴らしい音楽や芸術鑑賞(視覚、聴覚)などさまざまな方法がありますが、ここでは私の専門である香り(嗅覚)からのアプローチをお伝えしたいと思います。

 

嗅覚からアプローチする方法では、手軽に出来るアロマセラピー(芳香療法)をお勧めします。アロマセラピーでは、精油(エッセンシャルオイル)を用いて芳香浴をしたり、精油を植物油に希釈して皮膚に塗布したり、マッサージをするなど、様々な方法が行われますが、何れの場合でも、必ず心地よい香りを鼻から吸入することで、心身が整うという利点を伴っています。

 

病は気から

 

そのメカニズムは次の通りです。鼻から入った香り物質は、鼻の奥にある細胞で電気信号に変換され、かなり速いスピードで私たちの脳の大脳辺縁系に到達します。つまり香りはダイレクトに脳に影響を与えているのです。

 

過度なストレスによるバランスの崩れを香りで整える

ところで、病気予防という点から考えますと、私たちの体には健康を保つための自動的な調整機能があります。
主として、自律神経系や内分泌系(ホルモン系)、免疫系のネットワークに代表され、ホメオスタシス(恒常性維持)に大きく関わる部分ですが、「無意識の領域」なので、自分でコントロールすることができません。
過度なストレスがかかると、知らず知らずに自律神経が失調し、ホルモンや免疫系にも悪影響が出て、体の調和が崩れ不定愁訴が起こり、生殖器系や消化器系の不調、心身症などの病気につながっていきます。
自律神経系や内分泌系を統括しているのは脳下垂体で、生命活動の司令塔のような場所です。脳下垂体の近くには大脳辺縁系があり、香り物質から変換された電気信号は、まず大脳辺縁系に到達したのちに脳下垂体へも伝達されます。このため自律神経系が鎮静し、ホルモン系や免疫系にも良い影響を与え健康維持に役立つのです。

 

例えば、ラベンダーの香りには鎮静作用があることが知られていますが、脳下垂体にラベンダーの香りの電気信号が伝わるとセロトニンが分泌されます。セロトニンは神経を鎮静させるため、ラベンダーを使うことでリラックスし気持ちが整うということが起こります。またラベンダーの香りは多成分のため、他にも抗菌作用により感染症予防にもなるなど、一種類の精油でも多機能という特徴があります。

 

ラベンダー

 

アロマセラピーは、このように香りを嗅ぐという簡単な方法だけでも、五感の「意識できる領域」の嗅覚から「無意識の領域」の神経やホルモンにアプローチし、日々こまめにストレスを解消することができるので、ぜひ活用していただきたいものです。

 

精油の働きと使用の注意点

次に精油の主な働きと、化学的な側面からの安全性などについてお話します。
いろいろな種類とそれぞれに特徴がある精油ですが、すべてに共通する働きとしては、生理面や心理面や生体リズムの調整、抗菌抗ウイルス作用です。

 

また精油は「油」と書きますが、実は植物油のような油脂ではなく、植物が作り出すフィトケミカル=植物化学成分で、ほとんどがテルペノイド類とフェニルプロパノイド類というグループに分類される有機化合物です。植物に少量しか含まれないため、精油一瓶でも大量の植物が使われていて、濃縮されているので、使用方法にはいくつかの留意点があります。例えば、基本的に精油は皮膚への原液塗布をしないこと、必ず植物油に希釈して塗布すること。また飲用は禁忌です。

 

精油はさまざまな剤型(トリートメントオイル、抗菌防虫スプレーなどなど)に加工しやすく、1990年代から日本でも急速に普及しました。
ストレス過多な社会にコロナ禍が追い打ちをかけたことで、心のバランスを欠くことが多い昨今ですが、「病は気から」を遠ざけるために、五感の嗅覚を使って植物という自然の恵みを簡単に取り入れることが出来るアロマセラピー。
ぜひご活用ください。

 

》アンチエイジング五感道場

 

池田明子

池田 明子(AKIKO IKEDA)

植物療法士/フィトセラピスト
ソフィアフィトセラピーカレッジ校長
西九州大学客員教授
一般社団法人日本フィトセラピー協会代表理事
一般社団法人日本ハンドケア協会代表理事
植生工学士

 

【経歴】

臨床検査技師として病院勤務の経験から、伝統医学に興味を持ち、その後ハーブやアロマなどフィトセラピー(植物療法)を学ぶ。 2006年東京・自由が丘にて「植物療法士/フィトセラピスト」と「ハンドケアセラピスト」の養成校を設立。 全国各地でフィトセラピーやハンドケアの講座を主催。近年は大学や専門学校などとコラボして、認知症予防や介護分野での有効活用の普及をしている。 著書に「ズボラ大人女子の週末セルフケア大全」(大和書房)「熟年離婚したくなければズボラ婚」(双葉社)「アロマセラピー使いこなし辞典」(世界文化社)など多数。 夫は俳優の梅沢富美男、2女の母。

》ソフィアフィトセラピーカレッジ
》オフィシャルブログ『ハーブ&アロマ 植物の癒やし』

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