アンチエイジングニュース

「美人でスタイルの良い人はがんになりやすい」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(465)

川島なお美さんが亡くなられた事は「美人薄命」を地で行く大きなショックでした。

川島さんの場合は胆管がんでしたが、以前から乳がんの発症リスクと女性ホルモンとの間には、密接な関係があるとされています。

特に身長が高く、出産の経験がない女性、あるいは初潮の時期が早い女性は、乳がんのリスクが高いそうです。

このことは厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が約5万5000人を対象にした疫学調査で確認されています。

研究班は、1990年と93年に40~60代だった全国の女性を対象に、閉経の前か後か、体格、初潮年齢などに分け、その後の2002年までに乳がんを発症しているかどうかを比較しました。

その結果、女性が閉経後の場合では、身長160センチ以上の女性は、148センチ未満の女性に比べ、乳がんのリスクが2・4倍になっている事がわかりました。

そして、48歳未満までに閉経した人に比べ、54歳以後に閉経した人では、そのリスクは2倍になっており、さらに出産経験がない女性では、出産したことのある女性に比べ2・2倍に乳がんのリスクが高いこともわかりました。

また、女性が閉経前の場合、初潮年齢が16歳以後だった女性では、14歳以前に初潮を迎えた人に比べ、乳がんリスクが約4分の1にまで低下していたそうです。 

出産経験がない閉経前の女性では、出産経験のある女性に比べて1・7倍に増えていることになります。

女性の身長の高さと乳がんの危険度の関連については、調査対象者の成長期が戦中から戦後にあたり、栄養状態が良好で発育が良かった人は、初潮年齢が早まるためではないかと考えられるそうです。

ということは、スタイルのよい女性は乳がんのリスクが高い可能性があるということですので、ご注意ください。

ちなみに、同様のがんセンターの調査によると、男性の場合でも身長の高い人は身長の低い人に比べて悪性腫瘍になるリスクが1.38倍あるそうです。 

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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