アンチエイジングQ&A

合成ポリマーは肌に悪いと聞きますがなぜですか?加水分解コラーゲンなどもポリマーの一種だと思いますが、これは合成ではなくて変性、なので安全と考えていいのでしょうか?

合成ポリマーについて簡単に説明します。
私達の生活で身近な合成ポリマーの1つにポリエチレンがあります。コンビニで買い物をすると袋をくれますが、これがポリエチレンです。エチレンという合成物質が数百から数千個、鎖状に連結されたものがポリエチレンです。エチレンという合成物質をモノマー(単量体)といい、これが多数連結されたものをポリマー(重合体)といいます。ポリエチレンの中でも純度が高く極めて多くのエチレンが連結されたものは、極めて安全であり医療用として使用されています。例えば、人工関節の一部として半永久的に体内に移植されます。
ご質問の「合成ポリマーは肌に悪い」ということは正しい知識ではありません。安全であるか否かは、ポリマーの純度の問題です。ポリマーを合成する際に、未反応のモノマーが混入している場合には、モノマーが流出して生体に害を及ぼす事があります。化粧品に使用されている合成ポリマーは、医療用と比べると純度が低いと考えれれますが、肌には表皮というバリアーがありますので、それほど有害とは考えなくても宜しいと思います。肌に悪影響を及ぼす可能性のある合成物質は、一部の界面活性剤やメチルパラベンなどの防腐剤です。

加水分解コラーゲンについて簡単に説明します。
化粧品に配合されている加水分解コラーゲンは、一般的には、魚の一部(サケの皮、鯛のウロコなど)から取出したものです。コラーゲンは、アミノ酸が約1000個、鎖状に連結したものが3本集まってら旋状(三つ編み)になっている特殊なタンパクです。これを酸あるいはアルカリ条件で部分的に切断したものが加水分解コラーゲンであり、ら旋状の構造はこわれた状態となります。アミノ酸が数十個連結されたものです。いわゆるゼラチンです。もともとはアミノ酸から構成されたものであるため、肌には特に害がありません。因に、医療用コラーゲンは、小ブタの皮から酵素で特別処理をして取出したものです。アミノ酸が約1000個、鎖状に連結したものが3本ら旋状になっており、それぞれの分子の両末端には20~30個のアミノ酸が連結されています。この部分が抗原として作用(免疫拒絶作用)するため、酵素で除去したものが医療用のコラーゲンです。一部の高級化粧品には、このような医療用のコラーゲンが使用されています。そのため、敏感肌の人にも好評です。

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