アンチエイジングニュース

朝食を抜くとエネルギーが不足し、その日は集中力不足になることよく経験しています。

ところが今回、ドイツのリューベック大学の研究者らが、米国でも権威のある科学アカデミーの機関誌『Proceedings of the National Academy of Science』に、朝食に食べる炭水化物の割合が多すぎると寛大な心が失われ、より攻撃的になると報告しています。

・論文タイトル: Impact of nutrition on social decision making

・著者: Soyoung Park 他

・科学誌名: PNAS 2017 114 (25) 6510-6514; June 12, 2017, doi:10.1073/pnas.1620245114

研究では87名のボランティアを対象に、前もって朝食に何を食べたかを聞き取り調査を行い、その後2人1組のペアになってもらい「最後通牒ゲーム(ultimatum game)」というゲームを行ってもらいました。

ちなみにそのゲームは、2人のうちのひとり(A)にいくらかの金額を与えられ、2人で配分するように言われます。その配分を決めるのはAで、AはパートナーのBに配分金額を提示し、Bがその配分に納得すれば2人はその割合でお金をもらうことができるのですが、Bが拒否すれば2人ともお金をもらうことはできない、というものだそうです。

実験前の予想では、ほとんどの人は自分の配分が少ないと感じても提示された金額に納得するだろうと思われていたのですが、実際の結果では、配分に同意したのは「低炭水化物の朝食を食べた人」では76%、「高炭水化物の朝食を食べた人」では47%という結果でした。

さらに24名のボランティアに、高炭水化物の朝食もしくは低炭水化物の朝食を食べてもらい、さらに2日間にわたって追跡調査をしたところ、「低炭水化物の朝食を食べた人」では40%、「高炭水化物の朝食を食べた人」では31%が“寛大な”判断をすることが分かりました。

この結果から、朝食に炭水化物を摂りすぎるとその日は攻撃的になりやすいだけでなく、栄養のバランスがうまくないと社会的判断能力にもネガティブに働く可能性があると述べられています。

また、低炭水化物ダイエットを実践する人たちの血液を調べた研究によると、ドーパミンやその原料となるチロシンの増加することが分かっており、これからも炭水化物の摂取量を少なめにすると、寛大な心を持ちやすいと考えられるそうです。

偏った食事は健康に限らず、いろいろな面で悪影響を与える事が予想されますが、朝食はもとより、1日を通して栄養バランスの良い食事を摂ることが大切といえそうです。

 

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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