アンチエイジングニュース

0608がんの転移は、精神的なストレスを除くと抑えられる

今年ももう半分近くが過ぎ去りました。

さて、残念なことですが、今年も多くの有名な方ががんで亡くなっています。

 

私の好きな物まねの二代目江戸家猫八さんも3月21日進行性胃がんで亡くなりましたが、66歳という若さで、寄席の世界ではこれからますます味が出てくる人と期待していたのですが…。

がんは転移がなければ、それほどこわい病気ではありません。

外科技術の進歩により、ほぼ完全に病変部のみを除去することができるからです。

しかし、がん摘出手術の問題点として、手術後に急にがん転移が促進されることがあります。

一旦転移が起こると、もはや手がつけられなくなるので、このがん転移を抑えることが近年のがん治療法の重要な課題です。

そこで今日は、がん除去手術の後の転移には、精神的なストレスが大きく影響しているという話題です。

そして、このようなストレスを減らすと、転移も起こりにくくなることが明らかになっているそうです。

 

これはテルアビブ大学心理学部Shamgar Ben-Eliyahu教授が、脳関連医学誌the journal Brain, Behaviour, and Immunityに報告したものです。

 

手術後の精神的なストレスは、免疫系に強く影響することはよく知られていますが、医学関係者の間では、そのような心理的な面はあまり注目されていませんでした。

 

むしろ免疫力の低下は、手術による物理的なダメージによるものであると考えられていた訳です。

 

そこでこの研究者は、精神神経免疫学と呼ばれる新しい学問領域に注目し、手術後の精神的なストレスが重要ではないかと考え、調査をしたのだそうです。

 

実験として、担癌動物(がんを持っている状態の動物のこと)から、がんの切除手術を行う際、アドレナリンなどのストレスホルモンの分泌を抑制した場合における手術後のがん転移の頻度を調べました。

 

その結果、通常のストレスホルモンを分泌した場合に比べて、ストレスホルモンの分泌を抑制するとがんの転移が抑制されること、またがん切除手術後の生存期間も2~3倍に延長することがわかりました。

 

これらの結果から、手術の前後での心理的なストレスが免疫機能に悪影響を与え、免疫力を低下させてがん転移を促進させるとしています。

 

従って、がん摘出手術などの強いストレスが起こる際には、なるべく精神的にリラックスして、ストレスホルモンの分泌を抑えることががんの転移抑制に重要で、その様なケアを取り入れるべきであると結論しています。

 

結果そのものは動物モデルを用いたものですが、がんのケアに取り入れられることを切に祈ります。

 

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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