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がんは死亡率が高く怖い病気には間違いありませんが、発生した初期がんそのものが致命的なのではなく、他の臓器へ転移が起こるために深刻な状態になります。
そのためには、原発の腫瘍からがん細胞が分離し、血流内を移動して体内の別の場所で、がんが成長する必要があります。

ところが今回、がんの進展や転移に食品に含まれる成分が強く影響していることが分かりました。

これは、英ケンブリッジ大学のキャンサーリサーチUKケンブリッジ研究所グレッグ・ハノン教授らが、権威ある英国誌「ネイチャー」に投稿したものです。
それによりますと、アミノ酸の一種であるアスパラギンが不足すると、乳がん細胞の成長が妨げられることが明らかになったということです。
研究では、進行性のがんに罹患したマウスをアスパラギンが少ない食事で飼育し、またアスパラギンを阻害する薬を投与して、がんの状態を調べました。
その結果、マウスは通常がんが体全体に転移して2、3週間で死亡するのですが、実験対象となったマウスではがんの転移が抑えられ、長生きできたそうです。

この結果から、アスパラギンを含まない食事を摂ることによりがん転移が抑えられ、将来は新しいがん治療法に成り得るとしています。

また、現在も急性リンパ性白血病の治療に使われている薬剤のL-アスパラギナーゼの効能を拡大し、乳がんの治療にも役立つ可能性がある、と述べられています。

さらに他の研究者により、食事からアミノ酸のセリンとグリシンを取り除くと、リンパ腫や腸がんが阻害されるという結果も報告されています。

従って、がんの増殖にはある特定のアミノ酸が影響しており、食事成分の調整や特殊なアミノ酸の吸収を阻害するなどにより、治療効果を高める事が可能だそうです。

ちなみに、アスパラギンは名前の元となったアスパラガスや鶏肉、魚介類など多くの食品に含まれています。

しかし、今回の研究に基づいて極端な食事療法をすべきでなく、バランスのとれた食事を摂るべきと注意されています。

 

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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