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緑茶カテキンの威力――ハセ博士のヘルシー情報最前線(88)

 イレッサとはアストラゼネカ社が製造販売している肺癌用の抗ガン剤です。一般名はゲフィチニブ(Gefitinib)で、腫瘍細胞のチロシンキナーゼを選択的に阻害することで増殖能を低下させるとされています。

 しかし、この薬は間質肺炎などの重大な副作用を起こすことや海外ではあまり効果が認められないことなどの報告があり、いろいろと問題となっている薬剤です。

 その一方で、人によってはこの薬は非常によく効くことから、効く人と効かない人をうまく分ける方法があれば、非常に有効な薬になるとよく話題になっています。

 ところが今回、緑茶カテキン成分のEGCg(エピガロカテキンガレート)がイレッサの効果を増強するという話題をお送りします。

 これは徳島文理大薬学部の藤木博太教授らが、第22回和漢医薬学会大会で発表したものです。

 イレッサは、外国人に比べて日本人によく効くことが知られています。

 教授らは、お茶などの日本人の食習慣が関連があるのではと考え、お茶に含まれるカテキン成分について、がん細胞の増殖に対する効果を調べました。

 培養した癌細胞に、イレッサ単独、あるいはEGCgとイレッサを同時に投与した場合の効果を調べたところ、EGCg存在下ではイレッサの効き目が増強されることが明らかになりました。

 以上の結果は培養癌細胞を用いた結果ですが、実際に人が緑茶の飲んだ場合も同様にイレッサのがん治療効果を増強することが期待されることから、イレッサの投与量を減らし、副作用の軽減が可能ではないかとしています。

 またこの研究とは別に、EGCgが非ステロイド系抗炎症剤である「スリンダック」のがん予防効果を増強するという報告もあるようです。

 ご存知のように、EGCgは緑茶のポリフェノール成分であるカテキンのうちでも生理活性が最も強く、さまざまな抗酸化作用などの効果も知られています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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