アンチエイジングニュース

「大腸がんの予防にはコーヒー。カフェイン抜きもOK」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(479)

先日、「コーヒーを飲む男性には子供ができにくい」というショッキングなニュースがありました。
しかしコーヒー好きの私としては、何とかコーヒーの汚名挽回を、と考えていましたところ、「大腸がんの予防にはコーヒーが有効」とする新しい報告を見つけましたので、お知らせします。

これはつい先日、南カリフォルニア大学(USC)とイスラエルの国立のがん研究機関が、がん専門誌のCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に報告したものです。
(論文タイトル: Coffee Consumption and the Risk of Colorectal Cancer/著者:Stephanie L. Schmit 他/医学誌名: Cancer Epidemiol Biomarkers Prev; 25(4); 634–9. April 2016 25; 634)

コーヒーが、心臓病やがん、糖尿病、うつ、パーキンソン病、認知症など、様々な病気の発症リスクを低下させることを示す研究結果は、すでに沢山発表されています。
今回、南カリフォルニア大学らのグループは、コーヒーには結腸がんを予防する効果があり、面白いことにコーヒーのいれ方はどのようでもよいことが分かりました。

研究では、結腸がんと診断された患者さん5,100人と、結腸がんを発症していない4,000人を対象に、生活習慣に関する質問に加え、どのくらいの量のコーヒーをどのような入れ方で(エスプレッソ、カフェイン抜き、レギュラー、インスタント、など)飲んでいるか尋ねたそうです。

その結果、結腸がんの発症リスクとコーヒーを飲む習慣には、明らかな関連性があることが分かりました。

そして、1日に1~2杯飲む人は、飲まない人に比べて25%、2杯半以上飲む人は50%、それぞれ結腸がんの発症する可能性が低くなることが明らかになりました。

ちなみに、喫煙や食習慣、家族歴などを考慮した場合でも、同様の結果だったそうです。

以上の結果から研究者らは、「カフェイン含有の有無が無関係だったことに驚いている。コーヒーを飲むことが大腸がんのリスクを低下させることが分かったが、さらに飲む量が多いほど発症の可能性は低くなる」と述べています。

その理由については、コーヒーが結腸の活動を促進させて排せつを促し、その結果毒素が体内にとどまる時間を短かくすることが考えられるそうです。

また、コーヒーには腸内細菌のバランスを調整する効果もあり、さらに遺伝子発現を変化させたり、細胞の増殖の速度を抑制したり、細胞の分子レベルでの損傷を防ぐ抗酸化物質として機能する、などいろいろな利点もあるようです。

なお以前の研究には、ドリップコーヒーよりも煮出したコーヒーの方が効果的だとするものもあったそうですが、今回の研究では、少なくとも結腸がんについてはコーヒーの入れ方やカフェインの含有量はあまり関係なさそうとのことです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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