アンチエイジングニュース

「カレーで大腸がん予防」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(470)

今年も多くの著名人が亡くなりました。

日にちの近いところでは、12月9日に作家の野坂昭如さん。11月30日は漫画家の水木しげるさん。そして、11月20日には第55代横綱の北の湖さん。
ご冥福をお祈りします。

中でも忘れられないのは、5月に亡くなられた俳優の今井雅之さんです。大腸がんでした。

さて、お昼にカレーライスを食べたのですが、カレー粉に含まれる成分が大腸がんを抑えるという話を思い出しましたので、そのお話を。

ジョンホプキンス大学Francis M. Giardiello博士らが、臨床胃腸肝臓医学誌(Cruz-Correa, M. Clinical Gastroenterology and Hepatology)に報告したもので、カレー粉に含まれる成分が、大腸がんの前がん状態を改善するとのことです。

研究では、大腸の前がん状態であるポリポーシスを作りやすい遺伝的背景を持つ5人を対象に、カレー粉に含まれる成分の有効性を調べました。

ちなみにこのポリポーシスは、家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis: FAP)と呼ばれるもので、発生には遺伝性の要素が強く関与することが知られています。

そして、もし前がん状態で大腸摘出をしない場合は、ほぼ100%の確率でがんに発展するといわれるものです。

研究開始時に、これらの患者さんのポリープの数と大きさを測定しておき、次に1日3回、クルクミン(curcumin)を480mg、ケルセチン(quercetin)を20mgずつ、6ヶ月にわたって飲んでもらいました。

ちなみにクルクミンは、カレー粉の黄色成分であるターメリックの主成分で抗酸化作用があるといわれているものです。また、ケルセチンはタマネギや緑茶、赤ワインに含まれるフラボノイドで、人やラットのガン細胞の増殖を抑えることが知られています。

その結果、これらの化合物を摂った人ではポリープの数が60%に減っており、またそのサイズも50%にまで減少していることが分かりました。

2つの成分を同時に摂ってもらっていますが、その中でもクルクミンが主な働きをしていると考えられるそうです。

摂取量自体も通常カレーライスなどで食べる量に比べて多いのですが、カレー粉は安全な食べ物の一つであり、副作用の心配も無さそうとのことです。

カレーライスは私の好物メニューですので、気を強くしてカレーを食べるようにします。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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