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「抗がん剤としてのサプリメント:葉酸」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(449)

葉酸は、野菜や果物に含まれるビタミンBの一種で、核酸やアミノ酸代謝などの様々な生体の反応に必須な補酵素です。
しかし残念なことに、ほとんどの日本人妊婦さんは、この葉酸が欠乏しています。
元気な子供を産むため、是非、充分摂っていただきたいものです。

そこで今回は、葉酸は単にサプリメントとしてだけでなく、抗がん剤としても治療に有効であるという話題です。

これは、全米がん学会の専門誌である「Cancer誌」に、イタリアのCattolica del Sacro Cuore大学のGiovanni Almadori博士らが報告したものです(論文タイトル “Pilot Phase IIA Study for Evaluation of the Efficacy of Folic Acid in the Treatment of Laryngeal Leucoplakia,”)。

研究では、咽頭部がん(eucoplakia)の患者さん43名に、葉酸サプリメントを一日3回5mgづつ摂ってもらい、30日毎に6ヶ月間に渡ってがんの進展度を調べました。

その結果6ヶ月後には、12名の人(28%)の前がん状態が完全に消失しており、19名(44%)の人では約50%が消失していたそうです。

なお、12名(28%)の人には無効だったようですが、特にがんの進展が早くなるということは無かったそうです。

また、この間、特に副作用の症状は認められなかったそうです。

この間、血液中の葉酸値とホモシステイン値を測定したところ、病状の改善とともに血中の葉酸のレベルが増加しており、逆にホモシステインのレベルは明らかにに低下していました。

今までの研究で、葉酸は、DNA合成、DNA修復などの生命維持に必須な成分で、またアミノ酸合成に重要なホモシステインをメチオニンに変換する必須要素でもあることが分かっています。

そして、逆に葉酸が欠乏すると、がんの進展を引き起こすとの仮説がありましたが、この結果はこの仮説を支持するものです。

また研究では、抗がん剤としてよく用いられるレチノイド(retinoid)との効果の比較も行っています。

それによりますと、葉酸サプリメントの効果はレチノイドよりも若干悪かったのだそうですが、レチノイドに比べて毒性が少なく、さらにがんの状態を悪化させることもないことが明らかになっています。

以上の結果から、葉酸サプリメンとは単なる健康補助食品という点から一歩前進し、今後重要な抗がん剤として脚光を浴びそうということです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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