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「低脂肪食でも、がんになりにくくなるわけではない」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(444)

脂肪を多く食べると高脂血症や心疾患などのリスクが高まり、更に大腸がんなどにもなりやすくなります。

逆に低脂肪食を心がけると、がんになりにくくなることが期待できます。

ところが実際は、低脂肪食を摂ったからといって、循環器系の疾病やがんが起こりにくくなるわけではないのだそうです。

これは約5万人について、平均8.1年追跡した大規模な米国の調査の結果で、全米医師会雑誌のJAMA誌に報告されたものです。

4万8835人の閉経後女性(50~79歳)について、低脂肪食を多く摂り、また野菜・果物・穀物の摂取も多い食事を行う群(1万9541人)と、そのような制限食をしなかった2万9294人の対照群に分け、がんに罹る頻度を比較しました。

その結果、食事制限群では655人(3.35%)が乳がんになったのに対し、対照群では1072人(3.66%)の女性が、追跡期間中(平均追跡期間8.1年)に乳がんになったそうです。

すなわち、低脂肪食によって乳がんのリスクは特に低下しないことになります。

また、結腸直腸がんについても、食事制限群で201人(0.13%)であったのに対し、対照群で279人(0.12%)が罹患しており、結腸直腸がんのリスクについても特に低くなってはいませんでした。

この結果から、低脂肪食だからといって、乳がんや結腸直腸がんのリスクは低下しないとされています。

また、循環器系疾患についても同じ結果で、食事制限群における年間発生率は、冠動脈疾患1000(0.63%)、脳卒中434(0.28%)、循環器系疾患(冠動脈疾患と脳卒中)1357(0.86%)だったのに対し、対照群はそれぞれ1549(0.65%)、642(0.27%)、2088(0.88%)で、この結果も特に心疾患のリスク低下に役立つとは思えないということです。

残念!!

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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