アンチエイジングニュース

「免疫力を高めるには、軽めのストレスも大切!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(436)

免疫は、生体が黴菌などの外敵と戦って生きていくうえで、なくてはならないものです。免疫力が弱くなってきますと、様々な病気にかかりやすくなりますので、何とかして免疫を保ち、その免疫反応がキチンと起きるように体を整えておくことが重要です。

そこで今日は、免疫力を高めるためには、ある程度の弱めの精神的なストレスを受ける事も重要というお話です。

今までも、免疫反応の起こりやすさとメンタルなストレスとの関係について、様々な議論がありました。そして、“ストレスを負荷すると免疫力を弱くさせるので、ストレスがない方がよい”とする意見も提出されていました。

ところが、実際は逆で、“マイルドな精神的ストレスを受けた方が、免疫によい効果をもたらす”というものです。

これは、コロラド大学ボルダー校のMonika Fleshner氏らが、米国生理学誌(American Journal of Physiology – Regulatory, Integrative, and Comparative Physiology)に報告したたものです。
研究では、マウスに免疫源としてKLHを注射し、その後にKLHに対する免疫の出来方を調べました。
なお、KLHはヘモシアニンの一種のkeyhole limpet hemocyanin=KLHと呼ばれる物質で、多くのタンパク質と同じように免疫応答を引き起こすことが知られており、よく免疫反応の研究に使用されるものです。
また、精神的なストレスとしては、KLHを注射する2時間半前に、通常とは異なる金網で出来た小さなケージにマウスを入れて、ストレスを与えたたそうです。

そして、そのようなストレスを与えなかったマウスと同様にKLHを注射し、その後9ヵ月後に再びKLHを投与した時の免疫応答のしやすさを調べました。

その結果、ストレスを与えたマウスの方が、KLHを与えた時に起こる皮膚の炎症反応が強く起こっており、免疫反応が増強されていることがわかりました。

以上の結果から、研究者等はマウスに短期間のストレスを与えると、その後のワクチン接種などに対する免疫力が強まるとしています。

また、この免疫力を高める効果は少なくとも9ヶ月間継続しており、これはマウスのほぼ一生涯の期間ですので、非常に長くその有効性が保たれるとしています。また、KLH以外の、実際の細菌感染などによる免疫反応にも効果があることも確認されたそうです。

研究者等は、このようなマイルドなストレスは、メモリーT細胞と呼ばれる細胞性免疫を活性化させ、そのメモリー(記憶)によって、その後に襲ってきた外敵に対しても速やかに対応できる、と考えています。

今までの研究では、過度のストレスがあった場合には免疫反応は抑制され、その活性も低下するといわれていましたが、今回のような比較的マイルドなストレスは、逆に免疫系を活性化することになります。

また、最近国内でも“笑いが免疫を増強する”といった研究が報告されていますが、笑いや、ちょっと変化のあるストレスは体に良いようです。おおいに笑い、そして新しい環境にも積極的にチャレンジするのがよさそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧