アンチエイジングニュース

「車の排ガスは、子宮内膜症を悪化させる」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(412)

ディーゼル自動車の排ガスは、人体に非常に悪い影響を及ぼすことはよく知られています。
例えば、花粉症はスギ花粉などにディーゼルガスが反応し、アレルギー反応を引き起こす原因となるのではないかとの研究が、多くの研究者により報告されています。

そこで、女性が胎児期や幼児期の時にディーゼル自動車の排ガスを大量に浴びると、成長した後に子宮内膜症が治りにくくなるとの報告がありましたので、お知らせします。

子宮内膜症は、本来着床する場所である卵巣ではなく、それとは異な部位に子宮内膜が付着して起こる病気で、月経時の強い痛みや腰痛、不妊などが起きる疾病です。

実に月経のある女性の約1割、約200万人がかかっているともいわれる、非常に頻繁に起こる疾病なわけです。

この報告は、栃木臨床病理研究所と東京理科大のグループが、ラットを使った実験で明らかにしたもので、妊娠中の雌ラットに環境基準の10倍に相当する濃度のディーゼル排ガスを1日6時間ずつ3週間浴びせ、その後に生まれた子どもの雌ラットにも8週間浴びせました。

次に、ラットの子宮内膜を手術で腹膜に移植し、子宮内膜症と同じ状態にして、清浄な空気で育った通常の雌ラットと比較を行いました。

その結果2週間後には、通常のラットは移植した内膜が消えて、内膜症は自然治癒していたのに対し、排ガスを浴びせたラットでは内膜の増殖が続き、腹膜でアレルギー反応が起きていることが明らかになりました。

また、通常のラットに比べ、アレルギーに関係する遺伝子の発現が異常に強まっていることも分かったそうです。

以上の結果から、胎児期や幼児期にディーゼル排ガスを浴びると、アレルギー反応が異常に強まり、子宮内膜症を悪化させる可能性が高いと推測しています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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