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「アスピリンが癌予防に有効」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(390)

このところ、アスピリンが、がんの予防に有用との報告が相次いでいます。
ご存知のように、アスピリンは消炎鎮痛剤のひとつで、非ステロイド性抗炎症薬の代名詞ともいうべき医薬品です。
アスピリンという名はドイツのバイエル社の商標名で、物質名としてはアセチルサリチル酸(acetylsalicylic acid)です。
以前からも、血液をさらさらにするとして、心筋梗塞や脳卒中を予防する薬として脚光を浴びるようになっています。
さてこのアスピリンに関して、日本の厚生労働省研究班が大腸ポリープ(腺腫)抑制効果を明らかにし、大腸がんの予防につながることが期待されているという話題です。

アスピリンについては、欧米で実施された複数の臨床試験で、がんによる死亡リスクを低下させる効果があると報告されています。
中でも、2010年に医学誌ランセットに掲載された英オックスフォード大の研究では、アスピリンを5年以上服用した人は、服用しない人に比べ大腸がんによる死亡率が約半分近く減ったと報告されていました。
しかし、日本人を含むアジア人でも同様の効果があるかは分かっていないため、厚労省第3次対がん総合戦略事業として、平成19年から国立がん研究センターや京都府立医大など国内19施設で研究が行われていました。

今回の研究では、大腸がんへ進行する可能性の高い大腸ポリープを摘出した患者311名を対象にし、アスピリン(100ミリグラム)、及びプラセボ偽薬を2年間投与した後、大腸ポリープの再発を減らせるかを調べました。
その結果、アスピリンを飲んだグループはプラセボに比べ、再発リスクが約40%減少していることがわかりました。

しかし、喫煙者ではアスピリンの服用により大腸ポリープが増加したそうですので、使用法には十分注意する必要がありそうです。
実際、研究班も「今回の結果は大腸がんの化学予防法の確立を期待させるものだが、さらに大規模な検証が必要だ」としています。
アスピリンは100年以上にわたって解熱鎮痛薬として世界中で使われてきた薬で、安全性にも定評があり、最も安価といわれる薬ですので期待が持てます。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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