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「肥満は悪いばかりではない:善玉コレステロールの高い人は乳癌になりにくい」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(378)

世の中では肥満は、目の敵とされていますが、必ずしも悪いことばかりではないという、太り気味の人にはちょっと安心できるお話です。

更年期以後の女性が一番気になるものに乳癌がありますが、肥満気味の人でも善玉コレステロール値が高い人では、乳癌になる危険率が低いことがわかりました。

これはノルウェーTromso大学のAnne-Sofie Furberg博士らが、国立がん研究所誌(Journal of the National Cancer Institute)に報告したものです。

研究では、17歳から54歳のノルウェー女性4万人を対象として、乳癌の発生率と肥満の関連を調べました。

その結果、肥満体型でHDLコレステロールが低い人では、更年期後の乳がんの危険率が高いことがわかりました。
一方、更年期後の女性でも、肥満体質の人で同時に善玉HDLコレステロール値が高い人では、HDLコレステロール値の低い人に比べて、67%も乳がんになる危険率が低いことが明らかになりました。
なお若い女性の場合では、HDL値と乳がんの発生率の間に関係は見られません。また、高年齢の女性でも、肥満でなく通常の体型の人でも、HDL値との関係は見られなかったそうです。
ちなみに、この調査で肥満と定義されている女性は、ウエストサイズが35インチ以上としています。
この研究者等によると、更年期以後の人では脂肪組織内にエストロゲンが過剰に作られるようになり、その結果として、乳がんになりやすくなるのではないかということです。特にHDL値の低い人では、このホルモンのバランスの崩れにより、乳がんの危険率が高くなったのではないかと考えられるそうです。

この報告では、“更年期以後の人は、血中HDL値を高くしておけば、肥満でも安心”ということになりますが、肥満そのものは生活習慣病の元凶です。やはり、適正体重を維持することが重要と思います。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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