アンチエイジングニュース

「GABAが記憶の定着に重要」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(356)

ストレスなどの精神的な問題の軽減にはGABAサプリメントが良いという話をよく聞きますが、今回実際に、記憶が定着するためにはGABAが重要な役割を持つことが分かった、というニュースです。

これは、東京大大学院医学系研究科の葉山達也さんらが、米国科学誌のネイチャー・ニューロサイエンスに発表したものです。

(論文タイトル: GABA promotes the competitive selection of dendritic spines by controlling local Ca2+ signaling/医学誌名: Nature Neuroscience (2013) doi:10.1038/nn.3496 Published online 25 August 2013 著者: Tatsuya Hayama 他)

研究ではラットを用いて実験を行ったところ、脳の神経接合部で化学伝達物質の新たな働きがあることが分かりました。
すなわち、大脳で記憶が定着する際には、脳神経細胞同士の接続部分のシナプスと呼ばれる微細な構造が、「ガンマアミノ酪酸(GABA)」と呼ばれる化学伝達物質の働きによって縮小、整理されることが分かったというものです。

研究チームによると、睡眠が記憶の定着に必要なのは、睡眠時にはこのGABAによるシナプス整理が起きやすいため、と考えられるそうです。

また、GABAによるシナプス整理は、記憶以外の脳機能でも働き、言語が発達する成長期にも重要な役割を持つと考えられています。

そして、自閉症や統合失調症などの精神疾患では、GABAによるシナプス整理がうまく進んでいない可能性があり、今回の発見はこれらの疾病のメカニズム解明にも役立つということです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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