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「何が人を幸せにするのか? ハーバード大学の研究で明らかに」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(345)

IQや飲酒癖・家族との関係などから、心理学、人類学、身体的な特性など幅広い分野を調査した、ハーバード大学の75年にわたる研究「Grant Study」です。

研究では、ハーバード大学に在学した268人の男性を対象に、卒業後も毎年健康診断と心理テストをおこない、仕事、結婚、育児、老後などの追跡調査をしました。

すでに2009年にこの調査の一部がまとめられているのですが、今回新たに「何が人を幸せにするか?」ということが明らかにされました。

それによりますと、「老年における幸福と健康、そして暖かな人間関係」の3つが重要なことが分かったということです。

例えば「暖かな人間関係」の測定で高得点だった男性の年収は平均して年間14万1000ドル(1440万円)で、点数の低かった男性よりも多かったそうです。
また「暖かな人間関係」を築けている男性は、そうでない男性に比べて専門的分野で成功を収めた人が約3倍もいたとのことです。

そしてこの時、母親との関係が特に重要なことがわかりました。

例えば、
・幼年期に母親と暖かな関係が築けていた男性は、そうでない男性よりも8万7000ドル(約890万円)も年収が高い。
・幼年期に母親との関係が乏しかった男性は、老年性痴呆を発症する可能性が高い。
・少年期における母親との関係は、将来の仕事の成功・失敗に強く関係する。
とのことです。

その一方で、幼年期における父親との関係は、人生の満足度とはあまり相互関係がなかったそうです。

以上まとめて、金銭は生活に必要なだけ確保されていれば、それ以上は必ずしも幸せにつながるとは限らず、むしろ、愛・思いやり・感謝・希望・信頼・寛容さなどポジティブな感情が人の幸福に効果をもたらすとされています。

ただし、ネガティブな感情はストレスなどに対する防御反応を生み出すという効果があるために、短期的に見ると、ポジティブな感情を持つ人は傷つきやすくなるということですが…。

そして、「人間の幸福とは?」の答えは非常にシンプルな結論となり、「幸福とは愛。それ以上の何物でもない」とされています。

<参考>
Vaillant, G., Mukamal K. Successful Aging. American Journal of Psychiatry 158:839-847
http://www.theatlantic.com/doc/200906/happiness

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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