アンチエイジングニュース

「航空機内で鳥インフルエンザに感染しないために」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(395)

ご存知のように、中国で新たな鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)に感染し、死亡した人が見つかりました。

5日の時点では感染者は14名ということですが、以前のSARSで大問題となったように、改めて世界的な流行が懸念されています。

今回のウイルスを分析した国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長によると、ウイルスはヒトに感染できるように変異し、哺乳類の体内で増殖しやすくなっていたということです。

また、上海市政府はインフルエンザ流行への警戒態勢を強化する措置「3級」を発動し、香港政府は空港で香港への入境者の体温チェックを強化するなど、警戒を強めています。

今のところ中国国内のとどまっているようですが、ウイルスは空気感染しますので、我々としては国際線などの航空機内での感染が気になります。

実際、SARSが流行した際、機内で感染するのではないかと多くの乗客の方がマスクを着用して搭乗したことが思い出されます。

また航空機内で、どの座席が一番感染しやすいかなども真剣に討議されたのを思い出します。

そこで、今日はその時の討議内容を改めて読み直しました。

調査は、台湾、香港など5カ国の共同研究グループが行ったもので、New England Journal of Medicine 誌の今月号(349:2416-2422, December 18, 2003)に発表されています。

その調査によると、SARS患者が航空機に乗っていたケースのうち、患者と同乗した乗客・乗務員119人中22人が、搭乗後にSARSを発症していました。

ところが、SARSを発症した乗客の座席配置が偏っていたことから、感染は搭乗前の待合室などではなく、航空機内で起こった可能性が強いと考えられました。

そこで、座席の配置を詳しく見ると、患者より前方(同列含む、67人中14人、21%)では、後方(44人中4人、9%)よりも明らかにSARS発症率が高いことがわかりました。

そして、患者と同じ列または前側の3列の座席にいる場合では、それ以外の座席の3倍だったとのことです。

咳やくしゃみによる飛沫感染は、一般に90cmよりも接近した場合に起こるのだそうですが、3列前までは約2.3mもの距離があることを考えると、直接的な飛沫感染ではなさそうとの事です。

また、航空機内のエアは前方から後方へ流れるのだそうですが、それを考慮すると単なる空気感染によるとは考えにくく、患者の移動経路(乗降口は前方一カ所のみ)との関連もありそうと述べられています。

飛行機に乗ったら自分の後部の座席3列に風邪気味の人がいないか、気になりますね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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