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「抗不安薬混入の排水で魚の性格が大胆に!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(391)

排水に混入した抗不安薬によって、自然環境に住む魚の性質が大胆になり、反社会性が高まることが分かりました。

これはスウェーデンの研究チームが先日、有名科学誌のサイエンス誌に発表したものです。
(論文タイトル:Dilute Concentrations of a Psychiatric Drug Alter Behavior of Fish from Natural Populations/著者:T. Brodin 他/科学誌名:Science 15 February 2013: Vol. 339 no. 6121 pp. 814-815 DOI: 10.1126/science.1226850)

オキサゼパム oxazepamという薬は マイナ-トランキライザ-の一種で、神経症における不安・緊張・抑うつ、うつ病における不安・緊張、などの症状を訴える患者さんに使用されています。(国内での市販名はハイロング散 万有製薬)
最近このような抗不安薬を投与される患者さんが増えています。
そのため、尿などの排泄物に含まれて排出され、環境汚染の問題が指摘されていました

そこで、スウェーデンのウメオ大学(Umea University)の研究チームは、スウェーデン国内の人口密集地域の排水と同程度の薬物濃度の水を使用して、パーチという淡水魚を飼育したそうです。

通常、この魚は臆病で群れを作って生活しているそうですが、この排水で育った魚たちは群れを離れて1匹だけで生きる傾向が高くなり、また大胆さを増しただけでなく、食事のペースも早くなっていたそうです。

研究者らは、深刻な生態学的結果を招きかねないと警鐘を鳴らしています。

以前、ピルの排水汚染の問題もありましたが、環境汚染は人間を含む生物に対する重大な脅威となりますので、厳重な管理が必要です。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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