アンチエイジングニュース

「記憶力を高めるには空腹がよい!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(389)

受験シーズン真っ盛りですので、気になるニュースをお知らせします。
空腹状態では、物事を長期間覚えておく「長期記憶」が向上することが明らかになりました。

これは、平野恭敬東京都医学総合研究所主任研究員らのチームが突き止めたもので、1月25日付の米科学誌サイエンス誌に発表されたものです。
(論文タイトル:Fasting Launches CRTC to Facilitate Long-Term Memory Formation in Drosophila/科学誌名:Science 25 January 2013: Vol. 339 no. 6118 pp. 443-446 DOI: 10.1126/science.1227170 /著者: Yukinori Hirano 他)

研究では、ショウジョウバエを用いて実験をおこないました。
特定のにおいをかがせ、同時に電気ショックを与えると、やがてハエはそのにおいを避けるようになります。
しかし、ハエはあまり記憶力がよくないため、その記憶行動は1日後には消失することが分かっていました。

そこで、ハエを絶食させて同様の実験をおこないました。

すると、9時間絶食させた場合には、においを避けたハエは満腹のハエに比べ約1.5倍多くなったそうです。

このような効果は16時間絶食では約2倍にまで増えましたが、それ以上に絶食時間が長くなると減り始め、極度の空腹は逆効果になりました。 

この結果から、9~16時間の絶食後にショックを与えた場合は、満腹時に比べ、においを避けるという記憶が高まることが考えられました。

またこの時、ハエの脳内の神経細胞を観察したところ、空腹になると「CRTC」と呼ばれるたんぱく質が活発化して記憶の働きが高まることもわかりました。

研究チームによりますと、空腹と記憶力に関連があることを実験で確認できたのは世界で初めてで、このような仕組みによる記憶力の向上は、人でも起きている可能性があると考えられるそうです。

ただし、「記憶力向上には、さまざまな要因があるので、空腹での勉強だけに頼るのはお勧めできない」、とのことですのでご留意を。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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