アンチエイジングニュース

「高コレステロール治療薬が、C型肝炎の防止に役立つ」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(317)

C型肝炎は、肝炎の中でも肝臓がんになりやすいウイルス肝炎の一つで、かつては注射針の使い回しなどで感染する人が多くいらっしゃいました。
今回、このC型肝炎が、市販の高コレステロール薬を用いることにより予防できるということが明らかになりました

これは医学誌ネイチャー・メディシンに、広島大学茶山一彰博士らが発表したものです。(Nature Medicine, 08 January 2012, 論文タイトル:Identification of the Niemann-Pick C1-like 1 cholesterol absorption receptor as a new hepatitis C virus entry factor)。

博士らは、小腸でコレステロールを吸収する際に働くたんぱく質NPC1L1が、肝臓細胞の表面にもあることに気が付きました。
そして、C型肝炎ウイルスにはコレステロールが含まれているので、このたんぱく質が感染にも重要な役割をもつのではないかと考えました。
そこで、人間の肝細胞を移植したマウスを用いて、HCVウイルスに対する感染実験をおこないました。
その結果、NPC1L1の働きを妨げる高脂血症治療薬エゼチミブを事前に投与してやると、実験に使用したマウス7匹中5匹が感染しないことを見出しました。

さらに、C型肝炎ウイルスを感染させた細胞にエゼチミブを加えると、ウイルス増殖が抑えられることも確認できました。

以上の結果から、コレステロール吸収を抑える高脂血症治療の市販薬エゼチミブがC型肝炎の予防に有用であると結論づけられています。

実は、数年前にC型肝炎の予防に関する研究に携わったことがあり、気になりましたのでお知らせしました。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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