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「がまの油が、がんの治療に有望」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(294)

“がまの油”売りは、道端で面白おかしく話しながら、薬を売る大道商人です。
今では本物を見ることは出来なくなりましたが、たまに時代劇のTV番組で見かけます。
このがまの油は、実はレッキとした漢方薬の一種で、ヒキガエルの皮膚腺から分泌される猛毒のセンソといわれるものです。

今回、このセンソが、がん患者さんの疾患の進行を遅らせると、テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの研究者が発表しました。

これは、M.D.アンダーソンがんセンターのLorenzo Cohen博士らが、がん専門誌Cancer誌(2009, Sep. 電子版)で報告したものです。

センソ(Huachansu)は、今も中国の腫瘍内科等で、肝臓がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん患者の治療に広く使用されているそうです。
また、中国で実施された臨床試験で、全奏効率が進行肝細胞がんと肺がん患者で、それぞれ10%と16%である事が報告されています。

今回の研究では、ステージ3または4の15人の肝細胞がん、非小細胞肺がん、または膵臓がん患者を対象とし、センソを投与しました。
治療は、1日1回14日間の反復投与後、7日間休止し、これを1サイクルとしました。
そして2サイクル以後は、他の治療を受けるようにしました。

その結果、15人の患者さんのうち肝細胞がん患者6人(40%)の人が、病状が6カ月間安定に推移しており、がんの増悪は観察されませんでした
また、1人の患者さんは、11カ月以上にわたって、腫瘍のサイズが20%減少した状態が続いていたそうです。
問題は副作用ですが、今回は中国で使用される通常量の最大8倍を使用したそうですが、それでも軽微な毒性や副作用しか観察されなかったようです。
また、心臓に対する毒性も認められず、さらにがんに関連した症状にも顕著な増悪は起きなかったそうです。

今回のこの結果と、以前明らかになっている、腫瘍細胞を抑制する免疫機能を考え合わせると、このセンソが、がん治療において有用な新薬になりうると期待されています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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