アンチエイジングニュース

「妊娠中の殺虫剤:先天性障害のリスク」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(292)

妊娠初期の3ヶ月の間に母親が殺虫剤を使用した場合、生まれてくる男の子が尿道下裂という先天性奇形になるリスクが高いという、特に妊婦さんには気になる話題です。

尿道下裂 (Hypospadias)とは、先天的な男の子のおちんちん(ペニス)の形態異常で、尿の出口がペニスの先端までとどいてなく、その手前に出口が開いています。

約1000人に3人ぐらいで発生するのですが、おしっこをする時に尿が下向きに飛ぶために立位での排尿が難しくなります。
また、成人期まで放置されると、勃起時にペニスが下向きに曲がって性行為が困難になる場合があります。
この研究はスペイン及び英国の研究者らが、職業及び環境医学に関する専門誌Occupational and Environmental Medicine(2009, Dec.1)に報告されました。

研究では英国で出生した471名の尿道下裂の男の子および490名の正常出産した男の子について調べました。
これらの乳幼児の母親に、妊娠中での生活スタイルや殺虫剤などの使用、あるいは環境的な因子などの聞き取り調査を行いました。

その結果、個々の殺虫剤の使用では特に尿道下裂との関連は見られなかったそうですが、妊婦さんが複数の殺虫剤を使用したことのある場合には、尿道下裂になるリスクが73%高くなっていることが明らかになりました。 
また、とくに妊娠初期の3ヶ月の間に殺虫剤の使用した事のある母親では、生まれてくる男子に発生するそのリスクが、81%に高まることが分かりました。

この研究では、残念ながらどのような種類の殺虫剤を使用したのか、使用頻度はどの程度だったかなどについては調べられていないですがが、非常に気になる結果です。

今後さらに詳しく調べ、殺虫剤の危険性の有無を明らかにする必要があります。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧