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「ヨーガは、乳がん患者さんのQOLを向上する」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(277)

ヨーガや運動をすると、早期の乳がん患者さんの生活の質(QOL)の向上に役立つことを示した研究が2題報告されています。

最初の研究では、負荷をかける運動やエアロビクスが身体的健康だけでなく、自尊心も高めるとされています。
そして特に負荷をかける運動をおこなうと、化学療法を最後まで継続できるようになる効果が出るようです。

2つ目の研究はヨーガに関するもので、化学療法を受けなかった女性にも有効であることが示されています。

これらの研究はJournal of Clinical Oncology (JCO; 2009, September 4)に報告されたものです。

1)最初の研究は、カナダのアルバータ大学Kerry Courneya博士らが明らかにしたものです。

研究は化学療法を受けている乳がん患者さんに対する運動の効果を調べたもので、今までおこなわれたものの中で最も大規模なものだそうです。
女性を3群に分けて、インストラクターのついた負荷運動を週3回している人(82名)、インストラクターのついたエアロビクスを週3回している人(78名)、通常のケアのみで特にそのような運動をしていない人(82名)とし、17週それぞれおこないました。

その結果、負荷運動では、通常のケアだけの場合よりも筋肉の増強、体重の正常化、自尊心の維持に効果があることが分かりました。
またエアロビクスでも同様の効果が認められており、これらの運動は共にリンパ水腫などの副作用を示さなかったということです。
さらに負荷運動をおこなった人では、化学療法を受け続けることが可能で、薬物療法の達成率が高いというメリットがあることが分かりました。
抗がん剤療法は様々な副作用が出るなどで、その継続が難しいことが知られていますが、負荷運動を行った群では78%、エアロビクス群は74.4%、通常のケア療法のみの群では65.9%の抗がん剤療法達成率でした。

運動がなぜ化学療法を続けるのによいのかはよく分からないのですが、白血球細胞数が増加していることから、化学療法の副作用を抑えるのに役立つのではないかとされています。

(論文タイトル:”Effects of Aerobic and Resistance Exercise in Breast Cancer Patients Receiving Adjuvant Chemotherapyten A Multicenter andomized Controlled Trial.” Kerry S. Courneya, et al, University of Alberta, Alberta, Canada.)

2)2つ目の研究は、アルバート・アインシュタイン医科大学のAlyson Moadel博士が報告したものです。

ヨーガ教室に週1回、12週通った乳がんの初期状態の84名の女性と、44名のヨーガをおこなわなかった患者さんについて比較したものです。
その結果、ヨーガを受けなかった人はQOLや社会活動度が低下していたのに対し、ヨーガをおこなった人では、これらQOL等が大きく改善していました。
そして期待通りに、ヨーガをおこなった人では、化学療法などの治療を続けることが可能となっていたそうです。
ヨーガは多くの国や異なる文化圏でも世界中に広まっており、どこでも簡単におこなえるものですので、乳がん初期の人に非常に役立つと結論されています。

(論文タイトル:”Randomized Controlled Trial of Yoga Among a Multiethnic Sample of Breast Cancer Patientsten Effects on Quality of Life.” Alyson .Moadel, et al, Albert Einstein College of Medicine, Bronx, NY.)

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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