アンチエイジングニュース

「コレステロールの値が低いと、前立腺がんになりにくい」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(273)

アンチエイジングとメタボコレステロールが気になる人は多いと思いますが、コレステロールを正常に保てば、前立腺がんのリスクを低下する効果があるそうです。

今回の研究で、コレステロール値が200以下の男性は、高コレステロール値の男性に比べて前立腺がんになるリスクが半分以下になっていることが分かりました。
また別の研究では、善玉コレステロールのHDLが多い男性も、HDLの低い男性よりも前立腺がんのリスクが低くなっていることも明らかにされています。

この2つの報告は、それぞれ米国がん研究学会のCancer Epidemiology
Biomarkers & Prevention誌(2009, Nov. 3rd Issue)に報告されたものです。

最初の研究はジョンホプキンス大学のElizabeth Platz氏らが報告したものです。
55歳以上の5,586人について、1990年代に行ったがん予防研究を見直したところ、前立腺がんの発生する頻度は、コレステロール値が200以下の人では59%も低いことが明らかになりました。
ただ、この研究ではコレステロールを下げるスタチン類の薬をどの程度の人が服用していたかについては調べられておらず、コレステロール値そのものではなく、このような薬を飲むことによるがんのリスクが低下したのではないか、との批判もあるようです。
実際、以前の研究によると、コレステロール改善薬のスタチンが、がんのリスクを下げることが示唆されています。

2つ目の研究は、米国国立がん研究所のDemetrius Albanes博士らが報告したものです。
これは、10年以上前にフィンランド人29,000人以上を対象とした研究を再調査したもので、HDLの高い人は、前立腺がんのリスクが11%低くなっていることが報告されています。

今までの多くの研究でも、血液中のコレステロール脂肪を制限しておくと、がんのリスクが下がることが示唆されています。
ご存知のように高コレステロールは、心臓疾患の原因となります。
今回の報告のように、さらにがんの発生にも関係があるとするならば、食事の脂肪分にもっと気をつける必要が出てきますね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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