アンチエイジングニュース

「すい臓ガンに有効なハーブ」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(267)

すい臓ガンは、難治性で死亡率も非常に高いガンです。
しかも早期発見が非常に困難な上に進行が早く、きわめて予後が悪いことから「ガンの王様」と言われているほど。

この様に、医学関係者の間でも厄介なガンとされているすい臓ガンですが、今回ハーブが炎症やすい臓ガン発生の抑制に有効であるいう発表がありましたので、お知らせします。

これは、ジェファーソンのキメル ガンセンターのHwyda Arafat博士らが、デンバーで開催された2009年第100回米国ガン学会総会で報告したものです。

アンチエイジングなハーブ、ニゲラ(Nigella sativa、和名クロタネソウ、キンポウゲ科クロタネソウ属)それはチモキノン(Thymoquinone)と呼ばれる、中東地域で栽培されているニゲラ(Nigella sativa、和名クロタネソウ、キンポウゲ科クロタネソウ属)から得られるオイルエキス成分。
このニゲラの種及び油脂は、古来から中東およびアジア地域では伝統薬として様々な疾患の治療に使用されており、とくに免疫機能や炎症による疾患によく使われていました。
また、炎症反応自体が、様々な固形腫瘍の発生に関係していることが分かっていたため、この研究者らはこのエキスがすい臓ガンの発生を起こす炎症にも有効ではないかと考えました。

そこで研究者らは、まずチモキノンの抗炎症作用を確認するため、すでに悪性の炎症性ガンを抑制することが知られているトリコスタチンAとの効果を比較しました。
炎症を誘発するサイトカインのTNF-アルファで処理したすい臓の腺管ガン細胞を用いて調べたところ、ほぼ完全にTNFアルファ、インターロイキン1ベータ、インターロイキン8、COX-2 及びMCP-1などの炎症成分の発現を抑制することがわかりました。
なおこの作用はトリコスタチンAよりも効果が強かったそうです。

またチモキノンは、NFカッパBと呼ばれる炎症性のガンを起こす転写因子をも阻害することも分かりました。ちなみに、NFカッパBは、すい臓ガンの発生を起こす重要な因子で、すい臓ガンに対して化学療法剤が効かない理由の一つと考えられているものです。

次に、実際にすい臓ガンを有している実験動物にチモキノンを投与しその効果を調べました。すると、ガン組織が67%縮小し、腫瘍の炎症性サイトカイン前駆体のレベルも大幅に低下することがわかったそうです。
今回の発見は、すい臓ガンの治療のためのごく初歩的な成果に過ぎませんが、現代の医学でも難治性のガンとして手のほどこしようのなかったすい臓ガンだけに、強い期待が寄せられています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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