アンチエイジングニュース

「肥満は、お天気のせい?」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(266)

太陽を浴びることの少ない北欧の人は、太陽に近づくために身長が高いのではないかと推測していましたが、日照は肥満にも関係しているそうです。

今回、日照と体重の増加に関係があることが、
学術誌「Bone」(2008, Sep. issue)に発表されました。
これは英国アバディーン大学のヘレン・マクドナルド博士の研究チームが、1998年から2000年の間にスコットランド北東部に住む3,100人の女性を対象に行った調査結果によるものです。

研究では、この研究に参加した女性が前年にどのくらいの期間太陽光線にあたったか、
あるいは、卵や魚などの食品からどの程度ビタミンDを摂取したかを調べました。

その結果、肥満の人々では平均的な体重の人々よりも、体内のビタミンDのレベルが10%も低くなっていることが明らかになりました。

ご存知のように、ビタミンDは皮膚が太陽光線にさらされて生成されます。血液中のビタミンDの値が低いと、満腹感を脳に伝える役目を果たすホルモン「レプチン」の機能が低下するのだそうです。

したがって太陽を浴びる程度が低いと、体内のビタミンD量が低下し、肥満になりやすくなるというわけです。
また体脂肪が多いと、ビタミンDが脂肪組織に吸収されて、血液中のビタミンDレベルが下がることが分かっています。
以上の結果から、ビタミンDが欠乏すると肥満になりやすくなると考えられるそうです。

さらにビタミンDの生産以外にも、日光を浴びることによってメラトニンやセロトニンの分泌が調節されることが分かっています。
これらのホルモンの調節も体重のコントロールに重要であることがわかっていますので、
メラトニンやセロトニンの影響も考えられます。

いずれにせよ、日照時間の少ない英国や北欧地域に肥満の人が多い事の説明になりますが、日照の少ない地域に住んでおられる人は、できるだけ太陽に当たることを心がけなさってください。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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