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「緑茶は、口腔がんの予防薬として有望」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(263)

私は緑茶が好きで、毎日1リットルくらい飲んでいます。
さて今回は、茶エキスが口腔白板症のような前がん状態の人の口腔がんの予防薬として有望であるという、うれしい報告がされましたので、お知らせします。

これは米国テキサス大学アンダーソンがん研究所のVassiliki Papadimitrakopoulou教授らが、がん予防研究専門誌Cancer Prevention Research(2009, Nov. Issue)に報告したものです。
ちなみにこれは、がんのハイリスクの人に対するがん予防剤として緑茶の効果を調べたもので、臨床試験のフェーズIIである、最適投与量を決める段階の研究です。

それによりますと2002年から2008年にかけて、41名の口腔白板症の患者さんに、緑茶エキス或いはプラセボ偽薬を服用してもらいました。
なお、この口腔白板症とは口腔やその他の部位の粘膜に形成される白色組織からなる異常斑で、放っておくとやがてがん化する、前がん状態のものです。この症状になるリスクをタバコ(喫煙および噛みタバコ)や飲酒が増大させると言われています。

この研究では緑茶エキスを、体表1平方メートルあたり500mg、750mgあるいは1.000mgを、それぞれ1日3回ずつ3ヶ月間投与しました。そして口腔組織を12週間ごとに採取し、顕微鏡観察しました。

その結果、プラセボ対照群では18.2%の臨床組織像の改善であったのに対し、500mg群では36.4%、750mgあるいは1,000mgを服用した群では、臨床組織像が58.8%改善していることが分かりました。

また、その後の追跡調査では、緑茶摂取した人の15名に口腔がんが発生したのですが、その発生時期がプラセボ対照群の27.5ヶ月間に対し、46.4ヶ月と大幅に遅れることが明らかになりました。
さらに、前がん状態の人でも緑茶エキスを容易に長期間服用できること、また副作用もほとんど見られず、高用量群服用者において不眠や精神的な興奮などの軽い副作用が見られただけでした。

以上の結果から、緑茶エキスの服用は、口腔白板症から口腔がんへの進展を防ぐと結論されています。
今までも、実験室での研究や疫学的な調査などで、ポリフェノールが多く含まれる緑茶が発がんのリスクを低下することが報告されています。
今回の前がん状態の患者さんを対象とした臨床試験でも、その有用性が確認されたことになり、緑茶の抗がん作用に対する信ぴょう性がさらに高まったというわけです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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