アンチエイジングニュース

「がんで、夫婦生活が破綻しないために」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(262)

私の知り合いの奥さんが乳がんになったのですが、その後の旦那さんの愛情あふれる看病で、立派に がん から立ち直られた方を存じ上げています。そのときは夫婦愛の強さを感じ入ったものです。

ところが最近の論文に、” がん は結婚生活への大きな重圧となり、とくに夫が がん である場合よりも奥さんが がん である場合には、夫婦が離婚する確率が6倍高い“ことが報告されていました。
気になる論文でしたので、今回はこの記事を取り上げてみました。

これは、米国シアトル癌ケア連合(SCCA)のMarc Chamberlain博士らが、がん専門医学誌Cancer(2009, Nov. 15 issue)に報告したものです。

研究は2001~2006年に脳腫瘍などのがんおよび多発性硬化症(MS)の、米国の患者さん515人について調べたものです。
ちなみに以前の研究で、夫婦のいずれかが がん になると、12%の夫婦が離婚に至ることが報告されていました。
今回の研究では、その夫婦のうちのどちらが がん になった場合に、離婚に至る率が高まるかを調べられています。
その結果、夫が がん になった場合は離婚に至る夫婦は3%だったのに対し、妻が がん になった時には、離婚の頻度が21%に高まることが分かりました。

この結果は、生命を脅かすような疾患をもつ患者家族全般に当てはまるものと考えられ、夫婦間ではとくに注意する必要があると著者らは指摘しています。

ただ、結婚生活の長い夫婦では、そのような夫婦間の危機を乗り越える率が高かったそうです。

したがって、女性が重篤な疾患に陥り、かつ結婚生活の短い夫婦の場合には要注意ということになります。早期に夫婦間の不和をなくすように努め、お互いに協力し合ってがんと戦うようになさってください。そうすれば、それが元での離婚などの家庭破綻を防止し、生活の質(QOL)や、治癒率も向上できます。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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