アンチエイジングニュース

「厄介者のエチゼンクラゲが、ヒザ関節炎に効く」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(250)

いよいよ楽しい海のシーズンがやってきました。
確かに海水浴は楽しいのですが、
クラゲに刺されて嫌な思い出のある方も多いと思います。
そこで、嫌なクラゲもヒトの健康の役に立つという話題をお送りします。

日本海沿岸で大量発生して、魚の捕獲用網を破ったりする厄介者のエチゼンクラゲが、変形性ヒザ関節炎に有効であることが分かりました。

これは東海大と理化学研究所が行ったウサギを使った実験で明らかになったもので、
2009年3月の日本再生医療学会で報告されたものです。
同研究所の丑田(うしだ)氏らがクラゲからの抽出に成功した成分は「ムチン」と呼ばれるたんぱく質。
研究グループは、ヒザ関節の軟骨がすり減った変形性関節症と同じ症状のウサギを作り、関節の中に「ムチン」を混ぜたヒアルロン酸を注射しました。
すると、10週後にはすり減った軟骨がほぼ正常に回復することが分かりました。
ヒアルロン酸だけを注射したウサギに比べ、回復率は1・6~2・6倍程高かった
ということです。
すなわち、変形性関節症の治療に使われるヒアルロン酸とともに、
クラゲ由来のムチンたんぱく質を投与すると、治療効果が約2倍に上がることが明らかになったとされています。

ご存知のように、変形性ヒザ関節炎はお年寄りの大敵で、寝たきり老人を作り出す大きな原因です。
その治療に、厄介者のエチゼンクラゲが役に立つならば、クラゲも馬鹿にしたものではなくなりますね。さらなる研究を祈ります。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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