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「女性の尿失禁には、減量が有効」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(231)

オシッコの話題となると、顔をしかめる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は非常に多くの人が悩んでおられます。特にクシャミなどによる生理的な反射や、階段の昇り降りなどの動作がきっかけとなり、お腹に圧力が加わったときにおきる腹圧性尿失禁は、女性の4割を超える2000万人以上が悩んでいるといわれています。

今回減量することにより、このような尿失禁の症状が緩和することが明らかになりましたのでお知らせします。

これは、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校産科婦人科学准教授のLeslee Subak氏が、米国医学誌 New England Journal of Medicine 2009年1月29日号に掲載したものです。

研究は米ロードアイランドおよびアラバマ両州の女性338人を対象に研究を行いました。
なお、参加した女性の平均年齢は53±11歳でBMI(ボディ・マス・インデックス)が25~50で、7日間に少なくとも10回の尿失禁があった人を対象としています。
ちなみにBMI25以上が過体重、30以上が肥満とされています。

以上のような女性の3分の2の人に、食事、運動および行動療法などの治療をおこないました。また、残りの3分の1の人を対照群としています。そして治療群は6カ月間、週1時間の7~9%減量ができる治療法を受けました。
その結果、治療群は平均8%約7.7kg体重が減少したのに対し、対照群では1.6%約1.4kgとなっていました。
次に6カ月後の1週あたりの尿失禁回数を調べたところ、治療群で47%、対照群で28%減少することが分かりました。
なお、切迫性尿失禁(急に尿意を感じる失禁)の改善はみられなかったようです。

この結果から、減量で腹圧が低下したことにより膀胱への圧力も軽減して失禁しにくくなったと結論されています。
そして体重は尿失禁の発症や悪化の最も大きな危険因子であり、尿失禁の予防には肥満解消を目指すことが重要、と述べています。

女性の場合、男性よりも尿道が短いために出産後などに尿失禁しやすくなりますが、同時に肥満が更に悪い影響を与えているとの事ですので、皆様お気をつけられますよう。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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