アンチエイジングニュース

「上司が悪いと、心疾患になりやすい」――
ハセ博士のヘルシー情報最前線(215)

サラリーマンにとって、上司との関係はいつも気になるところです。私の経験では、上司と本当にうまく行っている例は、そんなに多くないような気がしますが・・・。
さて、今回、思慮分別がない上司だと職場でのストレスになるだけでなく、その部下が心臓疾患になるリスクが高いことが、科学的に証明されたというニュースです。

これは、カロリンスカ研究所とストックホルム大学の研究者らが、職場環境の専門誌のOccupational and Environmental Medicine(2008, Nov. Issue)に報告したものです。
研究者らは、ストックホルムで働く19歳~70歳までの男性従業員約3,000人について、心臓の健康度を10年間にわたって調べました。またこの参加者に、上司が明確に目標を設定してくれるか?、コミュニケーション能力は?、フィードバックは適正か?、などの上司のリーダーシップについて聞き取り調査を続けました。

この間に、心臓発作、急性狭心症または虚血性心臓病で死亡した例が74例見られたそうですが、上司に適性がない場合には、深刻な心臓疾患のリスクが25%も増加することが明らかになりました。更に、このような上司の悪影響は年々蓄積し、4年間以上同じ環境では、部下の心臓疾患のリスクが64%にまで増加していたそうです。ちなみに、このような傾向は、教育暦、社会層、収入、仕事量、喫煙や運動などの生活習慣の有無、高血圧や糖尿病などの他の心臓病リスク等には関係なく発生することも確認されています。

「上司の評価が低い、十分な支援がなされていない」といったストレスが、喫煙や不健康な食事、過度の飲酒の機会を増やし、逆に運動を減らせるなどにより、心臓疾患のリスクを高めるそうです。以上の結果から、上司は部下に明確な仕事の目標を与え、彼らの責任に応じて十分な権限を委譲することが重要であるとしています。

以前の研究でも、不公平な評価をする上司の下では、部下の血圧が上がり、心臓疾患のリスクを高めることが報告されていましたが、今回の研究結果も踏まえ、是非職場が楽しくなりますよう。
宮使えは、古今東西、ストレスの多いものではありますが・・・。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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