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「サメの血液が、がんを抑制する」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(197)

サメが地球上に出現したのは、約4億年前と推定されています。以後現在に至るまで、サメはほとんど進化せずに生きのびてきました。寿命も長く、なかには平均寿命が70年というサメや、100年以上生きているサメもいるようです。
なぜサメが今日まで生き残り、長寿を保てるのかの理由として、サメは生命力が非常に強くほかの動物なら致命傷になりかねない深い傷を負ってもすみやかに回復する力をもっているためとされています。また感染症にもかかりにくく、発ガン率に至っては100分の1とされています。

さて、その真偽のほどはともかく、最近オーストラリア・メルボルンにあるLa Trobe大学のMick Foley氏らが、サメの血液から癌を直接攻撃する物質を見つけたという話題です。
研究者らはサメにはヒトと同じような免疫系があり、この生物防御物質が疾病の抑制に役立つと考えました。そして、この特異的な抗体がサメの感染症やガンの予防に有効と考え、研究を続けていました。

今回この研究者らは、この物質が温度に耐性で、また酸やアルカリにも抵抗性を有することを見つけたということです。特に、この抗体がヒトの腸内の厳しい環境の中でも活性を保つことができるので、抗がん剤としての非常に重要な利点を有すると強調されています。実際、サメはこのような安定な免疫系を持っているために感染を受けにくく、今後はマラリアの治療薬や関節リウマチの治療にも応用する予定だそうです。また、サメの抗体が乳がんの転移を抑えることも見出したということで、抗がん剤としても有用のようです。

今のところ、サメは人食いジョーズのイメージが強くあまり好かれてはいませんが、今後はイメージチェンジを果たしそうですね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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