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「抗がんサプリメント:レスベラトロールに癌の予防効果」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(191)

レスベラトロールは、ブドウの皮や赤ワインに含まれる、「ポリフェノール」の一種です。
強い抗酸化作用があるため、酸化ダメージが原因の様々な疾病に有効であると考えられています。

特に、がんの発生や進行を抑えることが期待されており、抗がんサプリメントの代表でもあります。

今回、このレスベラトロールが、ほとんどのタイプの乳癌の異型化を抑制し、乳癌の発症の予防に役立つ可能性が報告されました

これは、ネブラスカ大学医学センターのEleanor G. Rogan教授が、癌関連医学誌Cancer Prevention Research(2008, July 2008 issue)報告したものです。

今までの研究で、乳がんの発生には女性ホルモンのエストロジェンが関係しており、DNAダメージを起こすことが原因と考えられています。
また、レスベラトロールは、この発がんの最初の段階に起こるDNAダメージを抑えることもわかっています。

そこでこの研究者は、レスベラトロールが乳癌の発生そのものを抑えるのではないかと考え、レスベラトロールの乳癌に対する細胞機能について調べました。

その結果、レスベラトロールがかなり低い濃度でも、DNAダメージをおさえることがわかりました。
レスベラトロールは、ワイングラス1杯に9 ~28 micro mol/L含まれているのですが、僅か10 micor mol/Lの濃度でDNAの障害を抑えたそうです。

さらに、レスベラトールは肝臓での化合物の代謝に関与するCYP1B1遺伝子の発現を抑制し、乳癌のリスクファクターである2,3,7,8-テトラ塩化ジベンゾ-P-ダイオキシンの形成を抑えることも明らかになりました。

レスベラトロールは、キノン・リダクターゼと呼ばれる酵素の発現を誘発しますが、この酵素が増えたために、このような化合物を無毒化し、エストロジェンの代謝を促すのではないかと考えられています。

今回の研究は、実験室で行われたものですが、今後ヒトを対象とした研究を行う予定とのことで、その成果が期待されています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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