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「海外旅行の注意:女性のほうがエコノミー症候群になりやすい」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(171)

 エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)とは、長時間同じ姿勢を続けたり、窮屈な場所で手足を縮め続けることで静脈内に血栓ができ、その血栓が血流に乗って肺や脳、心臓などにたどりつき、血管を詰まらせる症状をいいます。
 肺塞栓や心筋梗塞、脳梗塞などをもたらすことがあり、危険な症状です。

 もともとは飛行機の狭い座席に座るエコノミークラスの客がなりやすいと命名されたのですが、ビジネスクラスでもファーストクラスでも同様の症状が出ます。

 さて、このエコノミークラス症候群が女性客に集中的に発生していることが、日本医科大の調査でわかりました(日本航空医療学会2007年12月1日)。 
 
 調査は、94年1月~07年7月の間に重症の循環器病のため成田国際空港から同病院の集中治療室に転送された旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59.7歳)を対象に実施したものです。

 それによりますと、最も多かったのはエコノミー症候群で31人、急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、うっ血性心不全と不整脈各3人でした。
 うち2人は病院で死亡しました。

 このエコノミー症候群の31人のうち29人は女性で、31人中27人は帰国便の飛行機の着陸後に発症したそうです。

 一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性で、発症時期は行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多かったそうです。

 エコノミー症候群になるのが女性に多い理由として、女性は更年期を境にホルモンバランスが変化し、血液が固まりやすくなるのが一因とされています。
 また、女性は飛行中にトイレに行きたくないから水分を取らないという人が多いのが、この症状を悪くする原因
のようです。

 飛行中にはこまめに水を飲み、時々席から立って動いたり、手足の運動をすることがエコノミー症候群の予防に重要のようです。

 ちなみに急性心筋梗塞が男性に多いのは、仕事のストレスだからとか……。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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