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「乳酸菌を摂ると、アレルギー反応が抑制される」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(168)

腸内細菌を整える乳酸菌が花粉症などのアレルギー症状を抑えることが、東京大学などの研究により明らかになりました。

今までも乳酸菌がアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を抑えることは知られていましたが、今回の研究で、腸内に存在する乳酸菌の一種が、アレルギーの原因となる免疫細胞を細胞死(アポトーシス)に導くことが明らかになったというものです。

これは、東京大学大学院農学生命科学研究科の八村准教授らが、免疫学の専門誌(Immunobiology, January issue, 2008)に報告したものです。

先ず最初の実験で、培養したマウスのヘルパーTh2細胞にラクトバチルス菌(乳酸菌Lactobacillus acidophilus L-92株)を加えました。
すると、何も加えない対象に比べて、Th2細胞が細胞死を起こし、細胞数が1割程度減少することが分かりました。
また、生体を用いた実験として、マウスにこの菌を経口投与させた場合も、同様の結果が確認できたそうです。

さて、体内では免疫細胞である「Th1」と「Th2」の均衡が保たれています。
ところがこのバランスが崩れてTh2が増えると、「IgE」と呼ばれる抗体が過剰に作られて、アレルギー反応が起きるとされています。

実際、アレルギーの人はTh2が過剰な傾向がみられており、逆にアレルギー症状の子どもは、乳酸菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が腸内に少ないという報告も知られています。

従って、今回の研究結果は、乳酸菌を与えるとTh2細胞の数が低下して、アレルギーを起こしにくくなったと考えられるわけです。

以前からこの研究者は、カルピス健康・機能性食品開発研究所と共に、免疫系の初期反応における樹状細胞(Dendric Cell)に対する乳酸菌の働きを調べていましたが、今回の研究で、乳酸菌が過剰なTh2細胞のアポトーシスを誘導することを明らかにした事になります。

また、免疫系に及ぼす腸内細菌群の重要性が確認された訳で、おなかの調子を整えると一見関係なさそうな花粉症やアトピー性皮膚炎などを抑制することが可能と考えられます。

という訳ですので、私はカルピスの廻し者ではありませんが、乳酸菌を多く摂るようになさっては如何でしょうか。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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