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「食物繊維が少ないと、大腸がんのリスクが高まる!!」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(156)

 このところ、大腸癌にかかる人が非常に増えてきました。
 日本人の食事の西洋化に原因があるという説が信じられており、大腸がんのリスクを下げるには、食物繊維を沢山食べるとよいといわれています。

 これが本当であるかを調べたところ、食物繊維を多く摂っても特に大腸がんの予防効果は見られませんでしたが、やはり食物繊維の量が少ないと大腸がんの発症リスクが高くなる事が確認されたというニュースをお知らせします。

 これは、厚生労働省の研究班(主任研究者=国立がんセンターがん予防・検診研究センターの津金昌一郎氏)らが、がん研究の専門誌であるInternational Journal of Cancer (2006, July)に報告したものです。

 研究は、1990年及び93年に、岩手県、秋田県、長野県、沖縄県、茨城県、新潟県、高知県、長崎県、沖縄県、及び大阪府の10ヶ所の保健所管内に在住していた、40~69歳の男女約10万人について調べたものです。
 これらの人について2002年まで追跡調査し、その結果に基づいて、食物繊維の摂取量と大腸がん発生率との関連を検討しました。

 その結果、食物繊維の摂取量と大腸がんリスクの間には関連性が認められず、また食物繊維を1日10グラム以上摂っても特に大腸がんの予防効果はない事が明らかになりました。

 ところが逆に、食物繊維の摂取量が少ないと、大腸がんの発症の危険性は、2.3倍に高まることも同時に分かりました
 食物繊維摂取量の少ない女性グループについて調べたところ、そのグループでは食物繊維を多く摂るグループに比べて、大腸がんの発症者が2.3倍にまで高くなっていたのだそうです。

 以上の結果から、食物繊維の適度な摂取が健康維持に重要としています。
 ちなみに厚労省は生活習慣病予防などの観点から、大人で15-20グラムの目標を掲げていますが、特に大腸がんの予防効果だけに限るのならば、10グラムで足りるかもしれないという訳です。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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