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「夫の手を握るだけで、痛みがなくなる。」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(155)

 ヒーリングの本には、手をかざしたり、握ったりすると、患者さんの痛みや病気の症状がなくなる、という話がよく書かれています。

 特別な訓練を受けた人だけが、そのようなヒーリングを出来ると思っていたのですが、最近の研究によると、夫婦間でも、妻が夫の手を握ると即座に痛みを解消できることが報告されています。

 これは、米国バージニア大学心理神経学助教授James A. Coan博士らが、医学誌「Psychological Science」(2007, Dec.)に掲載したたものです。

 研究では、結婚生活の満足度をみるテストで高スコアを取得した、既婚女性16人を対象としました。

 そして、この女性達に、(1)誰の手も握らない、(2)夫の手を握る、(3)知らない男性の手を握る、を行ってもらいました。

 そして、その間に、ごく軽い痛みを感じる電気ショックによるストレスを与え、同時にMRI(磁気共鳴画像診断)による脳スキャンを行って脳の活動や痛みの度合いを調べました。

 その結果、手を握っているときは、身体的な反応を司る脳の部位の活動が沈静化することがわかりました。またこのストレスの低減は、知らない男性の手を握った場合でも起こったのですが、さすがに、夫の手を握った時の方が効果が高くて、夫の手を握っているときだけは、感情を制御する脳部位も沈静化していたそうです。
 また、夫婦間の結婚生活が、幸せであるほどこの効果が大きいことも明らかになりました。

 結婚生活の満足度が特に高い夫婦では、夫の手を握ることにより得られる効果は最大で、痛みを感じる脳部位が沈静化していたそうです。
 このような夫婦では、手を握ることは一種の鎮痛薬的効用もあるということです。

 いずれにせよ、程度の差こそあれ、誰かの助けがあれば脳の負担を大幅に減らすことができると、この論文では結論されています。

 さて、我々の世代の夫婦は、なかなか手をつないで歩くなどは恥ずかしくて出来ないのですが、この機会、考え直したら如何でしょうか?
 今回の報告では、夫婦以外の男性と手をつないでも効果があるというのですが、そういう事態になるのを避けることも兼ねて……。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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