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「カレーを食べると、大腸がんになりにくくなる!」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(146)

 最近西洋食を食べる機会が多くなったせいか、大腸がんに罹る人が非常に増えてきています。
 そして、大腸がんにならないために、やれ食物繊維を多く食べろだの、赤身肉は避けろなど、いろいろといわれています。

 さて今回、カレー粉に含まれる成分が、大腸がんを抑える事が分かりましたのでお知らせします。

 この研究は、ジョンホプキンス大学Francis M. Giardiello博士らが、臨床胃腸肝臓医学誌(Cruz-Correa, M. Clinical Gastroenterology and Hepatology, August 2006; vol 4: pp 1035-1038.)に報告したもので、カレー粉に含まれる成分が、実際に大腸がんの前がん状態を改善することを示した最初の報告として注目を集めています。

 研究では、大腸の前がん状態であるポリポーシスを作りやすい遺伝的背景を持つ5人を対象に、カレー粉に含まれる成分の有効性を調べました。

 ちなみにこのポリポーシスは、家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis: FAP)と呼ばれるもので、発生には遺伝性の要素が強く関与することが知られています。
 そして、もし前がん状態で大腸摘出をしない場合は、ほぼ100%の確率でがんに発展するといわれるものです。

 なお、今回の研究に参加した人は全員が大腸摘出を受けた人で、残念ながら手術でも取り残しがあったため、がんの発生の可能性がある人を対象としました。

 今回の研究開始時に、これらの患者さんのポリープの数と大きさを測定しておき、次に1日3回、クルクミン(curcumin)を480mg、ケルセチン(quercetin)を20mgづつ、6ヶ月にわたって飲んでもらいました。

 ちなみにクルクミンは、カレー粉の黄色成分であるターメリックの主成分で抗酸化作用があるといわれているものです。また、ケルセチンはタマネギや緑茶、赤ワインに含まれるフラボノイドで、人やラットのガン細胞の増殖を抑えることが知られています。

 その結果、これらの化合物を摂った人では、ポリープの数が60%に減っており、またそのサイズも50%にまで減少している事が分かりました。

 今回の研究では2つの成分を同時に摂ってもらっていますが、その中でもクルクミンが主な働きをしていると考えられ、摂取量も通常カレーライスなどで食べる量に比べて大量ですが、カレー粉は安全な食べ物の一つであり、副作用の心配も無さそうとのことです。

 もちろん今回の研究は小規模な研究であり、今後さらに詳細に調べる必要がありますが、カレーライスは私の好物メニューの一つでもありますので、非常に期待される結果です。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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