アンチエイジングニュース

 豆腐や納豆など大豆を原料にした食品は、日本の誇る健康食品です。

 これらの大豆食品には、植物エストロジェンやイソフラボンが多く含まれており、女性の美容に効果があるとか、乳癌の発生を抑えるとか言われています。

 更年期以後の女性は、女性ホルモンのバランスが崩れがちです。植物エストロジェンやイソフラボンは、女性ホルモンのひとつエストロジェンの高い女性の乳癌を抑える効果があるが、逆に(更年期以後の)エストロジェンが低い女性の場合には、そのような効果はなく、むしろ乳癌になる頻度を高めるかもしれないという報告がありました。

 この報告はWake Forest大学Charles E. Wood博士らが、米国ガン研究誌(Cancer Research, 2006, Jan. 15)に報告したものです。

 研究では更年期の雌ザルを用いました。そしてこれらの雌ザルを、高エストロジェンの群と低エストロジェンの群に分け、それぞれの群に16週間にわたって大豆食品を与えたそうです。
 ちなみに食事には、イソフラボンを全く含まないもの、アジア人が通常食べる量に相当する60mgのイソフラボン、あるいはさらに多い120mgのイソフラボンを添加しました。

 次に乳癌の発生リスクを調べるために、サルの乳腺線細胞を取り出し、その増殖能を測定しました。

 その結果、低エストロジェンのサル群では、イソフラボンの乳腺細胞の増殖を抑える効果は見られず、逆に増殖が早く起こる傾向が見られました。
 
 一方、高エストロジェン群のサルでは乳腺細胞の増殖は盛んになっているのですが、これにイソフラボンを与えると、その細胞増殖が抑制される事が分かりました。最も強い細胞増殖抑制効果は、1日240mgのイソフラボンを与えた時だったそうです。

 以上の結果から、体内のエストロジェンのレベルによって、大豆食品が乳癌の抑制に良い場合と悪い場合に分けられると考えられます。

 すなわち、エストロジェンのレベルが低い人の場合は、大豆は細胞の増殖を促進の方向に向けるため、ガンを起こりやすくさせるのですが、逆にエストロジェンのレベルが高い場合には、イソフラボンはエストロジェンの副作用である細胞増殖を抑え、ガンを抑制する事になります

 今までの疫学調査の結果では、単に”大豆を多く食べる女性は乳癌になりにくく、大豆食が効果がある”とされてきましたが、その女性のエストロジェンのレベルが重要という事になります。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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