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イチョウ葉エキスに抗がん性――ハセ博士のヘルシー情報最前線(129)

 最近、アンチエージング・サプリメントとして人気の、イチョウ葉エキス(Ginkgo biloba)に、抗ガン活性も存在する事がわかりました。

 イチョウ葉エキスは、認知症、脳血管障害などの予防と症状改善に効果があり、ドイツなどでは実際に医薬品として認可されています。

 また、がんに対しても、国内でもよく使用される抗がん剤の5-FUとイチョウ葉エキスを併用した場合に相乗効果が認められるとしたドイツの研究もあります。

 今回さらに、「イチョウ葉エキス自身が、人の脳腫瘍や乳がんに有効」との報告がありましたので、お知らせします。

 これは、ワシントン・ジョージタウン大学医学センターのVassilios Papadopoulos博士らが、がん専門誌Anticancer Resに報告したものです(論文タイトル: Cancer-related overexpression of the peripheral-type benzodiazepine receptor and cytostatic anticancer effects of Ginkgo biloba extract (EGb 761). Anticancer Res. 2006 Jan-Feb;26(1A):9-22.)

 研究では、ヒトの乳がん細胞や脳腫瘍を移植したマウスにイチョウ葉エキスを服用させ、末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)の遺伝子発現を調べました。

 この末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)とは、細胞増殖と細胞死を含む様々な細胞機能に関与するもので、浸潤性の癌が発生するときに多く作られる事が知られています。
 実際、癌細胞の増殖とPBRの過剰発現とには、強い相関が認められています。

 その結果、イチョウ葉エキスを飲んだマウスでは、PBR遺伝子の発現が抑えられており、無処理のマウスに比べて80%も、乳がん細胞の増殖が抑制される事が分かりました。

 この効果はイチョウ葉エキスを飲み続ける限り継続しており、更にこのPBRの抑制は脳腫瘍の場合においても観察されたそうです。

 これらの結果から、イチョウ葉エキスは浸潤性の悪性がんの転移を抑える非常に有望なものであると、研究者等は述べています。

 この研究はマウスを実験に用いたものであり、実際にヒトのがん組織に対しても有効であるかどうかは今後の課題です。

 しかし、イチョウ葉エキスは老人性痴呆などにも有効な、定評のあるアンチエージング・サプリメントですので、その効果が期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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