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重金属とキレーション――PART1 重金属:分子生物学でみる健康阻害メカニズム

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 重金属が及ぼす害で一番壊滅的なのが酵素の活動を阻害することだと言えます。酵素は生体内の化学反応を触媒する重要な役目を補っており、その働きなしにして生命は生きていけません。

 重金属は一部の酵素と非常に反応しやすいことが報告されています。ヘモグロビン(呼吸器官に欠かせない赤血球の主タンパク質)の生成に不可欠なALADという酵素も重金属によって阻害されます。

 ALADの活性を支えている成分は亜鉛なのですが、(体内の鉛濃度が高いと)鉛が亜鉛を置換する現象が起きます(注1)。

 鉛が取り込まれたALADは本来あるべき酵素反応を失うため体内のヘモグロビン生産力が低くなり、呼吸・循環器への悪影響が懸念されます。ALADのほかにも鉛はグルタチオン(体内のデットクス成分)プロトポルフィリン(ヘモグロビンの生成に欠かせない酵素)など幅広い代謝経路への影響があると言われています(注2)。

 ヒトを含む生命は無数の酵素反応のネットワークによって支えられています。言い換えれば生命は重金属による被害を非常に受けやすいということです。

(注1)Bernard, A., Lauwerys, R. Metal-Induced alternations of delta-aminolevulinic acid dehydratase. Anals of the New york Academy of Sciences, vol 514, Issue 141-147, 1987.
(注2)Pande, M., Flora, SJ, Lead Induced oxidative damage and its response to combined administration of alpha-lipoic acid and succimers in rats. Toxicology, Aug 15, 2002.

(A.T.Still University of Hearth Sciences Medical Student・Makoto Uchiyama)

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