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愛情ホルモン入りスプレー――ハセ博士のヘルシー情報最前線(122)

 オキシトシンは脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつで、人を信じたり愛情を保ったりすることと関係があるとされているものです。

 2005年秋に行なわれた研究によると、オキシトシンを与えずに育てた雌マウスは子マウスの世話をしないことが報告されています。これらのことから、このホルモンが自閉症などの精神障害の治療に有用であると考える専門家がいるようです。

 さて今回は、このホルモンには夫婦げんかを鎮める効果があることが明らかになったという話題です。

 ジョージア州にあるエモリー大精神学行動科学のBeate Ditzen氏らが、2006年度国際神経内分泌学会で報告したものです。

 研究は50組の男女のカップルを対象に、半数にはオキシトシンの含まれる鼻腔スプレー薬を、残りにプラセボ(偽薬)スプレーを投与しました。その後それぞれカップルが抱える問題について口論させたそうです。

 その際ストレスを感じた時に分泌される唾液中のコルチゾルの濃度を測定するとともに、カップルの間でのお互いの関係を評価するアンケートに回答してもらいました。

 その結果、オキシトシン投与群はプラセボ群に比べてコルチゾル濃度が大幅に低下していることが分かりました。オキシトシン投与群の夫婦はパートナーに対するプラスの感情だけでなく、マイナスの感情をも素直に表現できていたそうです。

 この結果を心理学的に解析すると、お互いの争いを円満に解決しようとする愛情行動に相当するのものだそうです。

 すなわち、オキシトシンは愛情のホルモン(love hormone)であり、人間関係や他人との関係を健全に保つための重要なホルモンであることが確認されたとしています。

 ということですので、皆様のオキシトシンがうまく分泌されていることを心からお祈りいたします。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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